日本ハム栗山英樹監督(51)が、21日の楽天戦(東京ドーム)で、ドラフト1位ルーキー大谷翔平投手(18=花巻東)を投手と野手両方で起用する“本格二刀流”に挑戦させる方針を明かした。11日、松山・坊ちゃんスタジアムでの全体練習で報道陣に発表。当日は中継ぎとして投手起用し、そのまま打席、そして守備を経験させる。「エース兼4番」へ向けた夢の第1歩が刻まれる。

 前日10日のイースタン教育リーグ・ヤクルト戦で最速152キロ、2回無失点デビューを飾った大谷を見て、栗山監督の脳裏にあったプランが現実のものとなった。「21日に上で投げさせます。(投手と野手の)両方をテストしてみようと思う」。楽天とのオープン戦で初めて1軍マウンドに上げ、その後は打席、守備位置へ就かせる、1試合の中で二刀流に挑戦させることを明言した。

 順調に成長を続ける怪物ルーキーに、ゴーサインを出した。今後へ向けたテストという意味合いもあり、早くから21日楽天戦で本格二刀流デビューさせる計画は立てていた。心配していたのは本人のコンディションだったが、圧巻の投手デビューを果たしたことで不安は一掃された。「体が思ったよりもうまく来ている。課題は上(1軍)にありそう」と、1軍のマウンドに上がることも問題ないと判断。降板後は野手としてグラウンドに立ち続ける夢のプランを実行する。

 当日は開幕投手に決まっている武田勝が先発する見込みで、大谷は2番手以降でマウンドに上がる。その際は指名打者を解除し、打順の中に名を連ねて打席に立つ。登板は最長でも1イニング。その後は外野手として起用される。

 野球ファンならずとも大注目の一戦となるが、日本ハムが目指しているのは「エース兼4番」という究極のプレーヤー。栗山監督も「本気だから。(大谷は)野球ファンが喜んでくれる選手だと思ってやっている」と、あくまでステップであることを強調した。

 同時にオープン戦残り3試合という大事な一戦で、1軍に帯同させていることも明らかになった。栗山監督は「開幕1軍?

 それはオレも分かんない。みんなが納得する形になるかどうか。1年生だとかは関係ない。チームにプラスかマイナスかしか考えていない」。与えられたチャンスをしっかりとものにすることができれば、開幕1軍入りの可能性も十分にある。【本間翼】