ソフトバンクに「トリプルストッパー構想」が浮上した。14日、大阪から千葉に移動してQVCマリンで全体練習。オープン戦も佳境を迎え、守護神を巡る激しいバトルが展開中だが、首脳陣は新たな一手を用意している。それが開幕後もクローザーを1人に固定せず、試合状況や相手打者に応じて適した投手を送り出す“3本の矢”作戦だ。

 候補となるのは昨年、一昨年と経験のあるブライアン・ファルケンボーグ投手(35)、ここまでオープン戦2セーブの岩崎翔投手(23)、そして新加入の五十嵐亮太投手(33=ヤンキース)だ。WBC日本代表で昨季17セーブの森福は、セットアッパーでフル回転することになりそう。高山投手コーチはクローザーの複数制に「その考えもある。監督と相談してから」と選択肢にあることを認めた。

 リーグ3位の昨季は結局、クローザーを固定できなかった。右肩を手術した馬原(現オリックス)に代わり、開幕はファルケンボーグが務めた。故障で離脱し、代わりの森福が17セーブ。疲れが見え始めた終盤は岡島、柳瀬も起用された。救援陣のやりくりにより、接戦を制した試合も多かった。

 高山コーチは「本当はシーズンを通して固定できるのが一番いいけど、1年は長いからね。いろいろ考えている」と続けた。選手の調子、疲労度を考慮した上でベストな選手起用を図るつもり。開幕が2週間後に迫り、強力なリリーフ陣が先発の後ろ盾となる。