<オープン戦:DeNA1-3楽天>◇20日◇横浜

 早くも次なるWBC日本代表に立候補だ。楽天の2年目釜田佳直投手(19)が、DeNA戦に先発し、8回6安打1失点と好投。失点した5回以降は毎回ピンチを背負いながら、全力投球でしのいで絶叫した。前日19日には準決勝で敗退したWBC日本代表が帰国。4年後の代表入りへ、まずはホップの1年を踏み出す。

 「見たか!」と言わんばかりにほえた。2点リードの6回、2死二塁のピンチを背負い、打席にはオープン戦4本塁打のブランコ。フルカウントから146キロの高め直球で空振り三振に打ち取ると、勢い余って体を跳ね上がらせ、「しゃあー!」と大きく口を開けた。「ピンチを迎えると力が入ってくるので」と真っ向勝負でねじ伏せた。

 WBCで奮闘した侍戦士ばりの絶叫だった。5回以降はピンチの連続。それでも、ことごとく空振り三振で切り抜けた。雄たけびとガッツポーズは6回以降で合計3回。「自然に出ちゃいませんか」とケロリと話すが、その姿はWBC日本代表の前田健、田中がピンチを抑えて叫ぶ姿とダブッて見えた。

 真っ先にアピールした。3連覇を逃した日本代表が前日19日に帰国した。「今回見て意識しましたね」と、準決勝のプエルトリコ戦を宿舎で観戦するなど、時間が合えば戦いをチェック。尊敬する田中の投球も目に焼き付けた。17年の次回大会は23歳。「並大抵ではないと思いますけど、4年後、背負ってやっていけるような選手になりたい」と堂々と代表候補に名乗りを上げた。

 この日の最速は148キロで、登板を重ねるごとに調子は上向きだ。エース田中の状態次第では開幕投手候補に挙げられていたが、星野監督は「だいぶ良くなってきたけどな。そこまでの自信はない」と冷静に話した。それでも、開幕ローテーション入りは当確。釜田は「(今年の)最初に比べたら良くなったけど、もっと上げていきたい」と威勢良く言った。【斎藤庸裕】

 ◆楽天の開幕投手

 本命はエース田中だが、首脳陣はWBC出場による負担を考慮。代役を立てる可能性も残す。これまで、星野監督は釜田、辛島、則本を代役候補に挙げたが、来日2年目のダックワースも有力候補に浮上した。対外試合4試合で19イニング無失点と安定している。なお、田中は帰国翌日の20日は休養に充てた。早ければ、23日の巨人戦に登板。開幕投手が可能か、状態を見極める。