<ロッテ3-2オリックス>◇29日◇QVCマリン
伊東勤監督(50)率いるロッテが、逆転サヨナラ勝ちで発進した。延長12回1死満塁から押し出しで追いつき、なおも1死満塁で、昨季首位打者の角中勝也外野手(25)が中堅に犠飛を放ち、4時間43分の熱戦を制した。ロッテの本拠地で迎えた開幕戦の勝利は17年ぶり。開幕戦のサヨナラ勝ちは44年ぶりだ。
白球がバットを離れた瞬間、角中はサヨナラ勝ちを確信した。追いついた直後の12回1死満塁、振り抜いた高め137キロの直球は大きな弧を描いて中堅手のグラブに収まった。すかさず三塁走者の細谷がタッチアップしてホームイン。ヒーローは「監督に初勝利を贈れたのが一番よかった」と笑った。
3時間半ルールが撤廃されて4時間43分に及んだ熱戦は、粘って粘って粘り勝つ、伊東監督の目指した野球だった。指揮官は「みんな野球が好きなんだね。最後まであきらめずにやってくれてね」と目を細めた。エース成瀬が6回途中に負傷交代し、ベンチ入りした8人の投手全員つぎ込む総力戦。その最後を、侍メンバーの角中が決めた。
ロッテのホーム開幕戦勝利は17年ぶり。開幕戦サヨナラ勝ちは実に44年ぶりだ。伊東監督は西武時代の94年、近鉄との開幕戦で、逆転サヨナラ満塁弾を放っている。でも今回は、そんなドラマチックな展開じゃなかった。「このチームらしく、外野フライでいいじゃない。みんなが勝ち取った勝利だよ」。我慢して全員でつないだ野球。それがうれしかった。
今年のスローガンは最後まで飛び続けるという意味で「翔破」。角中はお立ち台で、最後にこう言った。「今年は失速することなく、最後まで首位で突っ走りたいと思います!」。伊東ロッテの物語は、カクテル光線が煌々(こうこう)と照らすQVCで最高のスタートを切った。【鎌田良美】




