<巨人4-3広島>◇29日◇東京ドーム
広島堂林翔太内野手(21)が、今季初安打を適時二塁打で飾った。開幕戦の巨人戦に「7番三塁」でスタメン出場。オープン戦打率1割6分4厘、60打席適時打なしという中で本番を迎えたが、期待に応えた。開幕戦はこれで3連敗。しかし、野村謙二郎監督(46)が「今年は何とかなる」と話すように、悲観することはない。心躍るシーズンが幕を開けた。
堂林がよみがえった。4回、前打者梵の打球がビデオ判定にかけられた直後だった。1死二、三塁。好機が広がり、初球に狙いを定めた。宮国のシュートを捉えると、ライナーで左中間席の手すりを直撃し、グラウンドにはね返ってきた。2点適時二塁打だ。あと5センチで本塁打かという当たりで、一時は逆転。再びビデオ判定を求めようとした野村監督はベンチを飛び出し、愛弟子の復活打に拍手を送った。
堂林
(チャンスのままで)おいしいと思った。打球は見ていなかったけど、二塁打は確実だなと。逆転だけ考えていた。1人だけ遅れている感じがあったし、オープン戦では足を引っ張っていると思っていた。不安は正直あったけど、1本出て明日につながります。
オープン戦はドン底に陥った。17試合で打率は1割6分4厘。打点2はいずれも犠飛。60打席、適時打がないまま本番を迎えた。
開幕を前にして、直接、会談する機会をつくったのは野村監督だった。23日ソフトバンクとのオープン戦(ヤフオクドーム)後、広島に戻る新幹線の車内で、隣に座って話し込んだ。「オープン戦の安打も、シーズンの安打も、1年間の安打の数は決まってる」。現役時代に、駒大の先輩、DeNA中畑監督から授かった言葉を伝えた。
今季は調子がいい選手を優先的に起用すると公言していた指揮官を、安心させる一打でもあった。「開幕したら好調、不調とか言っていられない。今日ので堂林は自信になるね」。開幕戦3連敗。東京ドーム9連敗。重苦しいデータをつきつけられても、チームに沈んだ空気はない。やれる。数字だけでは分からない手応えをつかんだ、13年のオープニングゲームだった。【鎌田真一郎】



