<ヤクルト3-9阪神>◇29日◇神宮

 よっしゃ10連勝で勝率10割や~ってはしゃぎすぎですかね。「開幕の1勝は10勝分の効果」と気合を入れていた阪神和田豊監督(50)には、お釣りがくるほどの大満足勝利だ。朝には昨年ドラフトで1位藤浪のクジを引いたお礼参りもかね、神田明神を参拝。勝負の神様に手を合わせ、ただの1勝ではない開幕戦大勝を成し遂げた。

 誇らしげに2度、右手を挙げた。阪神和田監督に神宮の猛虎ファンから歓声が飛んだ。「ありがと~」「優勝や~」。笑顔で声をかき分けた。「1勝は10勝分の効果」とガムシャラに求めた白星。開幕試合の17安打は75年ぶりとなる球団タイ記録だ。監督として初めての開幕星を、歴史的な大勝で飾った。

 和田監督

 今日は誰というより、全員の勝利だね。オープン戦でやってきたことが開幕戦で出た。それ(10勝分)以上の何物でもないよ。

 就任1年目の昨季は首位巨人と31・5ゲーム差の5位に沈んだ。背水の2年目、まずは「敗者」であることを認めた。「昨年の屈辱を忘れてはいけない。調整なんて言葉はない」。練習試合やオープン戦でも勝利を求めた。すべては勝ちグセをつけ、開幕ダッシュをするため。新戦力と若手の台頭で競争を促し、オープン戦は12球団トップの得点をマーク。勢いそのままに、シーズンに突入した。

 開幕日の午前中、チーム関係者とともに東京・神田明神へ出向いた。昨年のドラフト会議当日の朝に訪れ、黄金ルーキー藤浪を引き当てた験のいい場所。長丁場のシーズンが始まる前にケジメの必勝祈願をした。「どんな打者もヒット1本出るまで不安なもの。早くみんなにHランプがつけばいいね」。選手への温かい熱い思いは十分に届いた。

 昼食は尾頭付きのタイと赤飯、そしてお約束のヤクルトを飲み干した。弾みがつき過ぎるような快勝スタートに「ヤクルトが効いたね」とニッコリ。

 単なる144分の1じゃない決戦でつかんだ白星と手応えと自信。13年、猛虎の逆襲伝説が幕を開けた。【近間康隆】