<ヤクルト1-0阪神>◇30日◇神宮

 最後まで虎は目覚めなかった。9回2死一、二塁、ヤクルト守護神バーネットの前にコンラッドが空振り三振。冷え込んだ神宮の寒さが余計に身に染みるゼロ行進だった。球団タイ記録の開幕17安打を放った猛虎打線が一夜にして沈黙した。

 「初回だな。あそこで流れをもってこられなかったのが一番の要因。最初の登板の初回でバタバタしてたけど、立ち直らせてしまった。勝負球がほとんど高めにこなかった」

 相手のエース石川に12個のゴロアウトを献上し、9回2死まで3安打に封じられた。和田豊監督(50)が言ったように振り返ってみれば、初回がすべてだった。西岡の死球に始まり、鳥谷のヒット、相手失策で1死満塁。だが、5番福留孝介外野手(35)は空振り三振。続くマートンも左飛に倒れて先制機を逃した。

 「投手が頑張っていたから、何とかしてあげたかったんだけど」

 4打数無安打の福留は渋い表情で話した。水谷打撃コーチも石川のイメージチェンジにうなった。

 「シンカーがいい投手だが、直球で勝負してきた。外角の直球をうちの打者が打てんかったということ」

 前夜29日に17安打で1勝をもぎ取った阪神に対し、この日のヤクルトはわずか4安打で1勝を手にした。堅実な野球を見せつけられたが、戦いは始まったばかりだ。和田監督は敗戦会見をこう締めた。

 「開幕してすぐで軌道に乗っていないし、しっかりした野球をやっていれば、バタバタすることはない」

 指揮官の自信は揺るがない。怪物ルーキー藤浪をぶつける第3戦。猛虎打線が黙っているはずがない。【鈴木忠平】