<ヤクルト1-0阪神>◇30日◇神宮
勝たせてやりたかった!
阪神岩田稔投手(29)の好投が報われなかった。7回4安打2四球1失点も、ヤクルト石川との投げ合いに負けた。ただ、悲観することはない。内野ゴロを量産し、ピンチでも粘った。去年とはひと味違う。進化した岩田が今季の虎を引っ張る。
ヤクルト石川との投げ合いに負けた。開幕2戦目でチームに土をつけた。岩田は顔を紅潮させ、クラブハウスに続く長い階段をゆっくり上った。「よう投げたで!」。温かい声援に胸をなでおろすこともない。7回4安打2四球1失点。誰も責められない内容にも「負けは負けなんで。正直、悔しい」と唇をかんだ。
「初回のあれがね…。簡単に点をあげてしまった」。今季初登板の初回。1番田中浩を打ち取るも、打球が高く跳ねて三塁内野安打となる。犠打で送られ、1死二塁から3番ミレッジに暴投。そのまま四球を与え、1死一、三塁とされた。ここで4番畠山をツーシームで狙い通り遊ゴロに仕留めたが、併殺崩れの間に決勝点を失った。
不運が重なったと言える。もともと、ゴロを積み重ねるタイプ。内野安打については「ゴロを打たせるピッチャーだから仕方ない」と振り返る。暴投は空振りを誘った内角低めスライダーがショートバウンドしたもの。むしろ、今季初黒星には光が詰まっている。
犠打アウトを除く19アウトのうち、11個が内野ゴロ。残りは邪飛を含む内野フライ3個と5三振。外野フライはなかった。昨季よりボールを低めに集め、最速144キロの直球系ボールに威力があった証拠だ。力強いボールでバットを押しこんだ結果、ゴロアウトが増えたと考えられる。
1月の自主トレ中から、今まで一塁方向にインステップしていた踏み出し地点を約20センチ三塁方向にずらし、ホーム方向へまっすぐに足を踏み出している。「ちょっと開くぐらいの勢いで、体の回転を100%ボールに伝えれば、もっと強いボールが行くはず」。狙い通り、進化に成功した。
0-1で迎えた7回は1死満塁のピンチをしのいで降板。11年9勝13敗、昨季8勝14敗と黒星が先行した以前なら、追加点を奪われがちだったところを防ぎ切った。和田監督は「ああいう粘りがあればね。去年は粘り強さが足りなかったけど、今日はまったくよくなっていた」と評価した。
「先発は勝たないと意味がないんで」
最後まで責任を背負い込んだ岩田。黒星スタートとはいえ、今季の前途は明るい。【佐井陽介】



