<阪神0-1中日>◇4日◇京セラドーム大阪

 打てない、守れない、そりゃ勝てない。阪神は本拠地開幕カードで、2夜連続のため息で終わった。8回の守り、2死三塁で代打平田は三ゴロ。何でもないゴロにも、何か嫌な空気が漂う。定位置付近で待って捕った新井良は少し慌てた。一塁新井貴への送球が本塁寄りへそれた。コンラッドの拙守が相次いだ前日3日に続き、守乱で決勝点を献上。京セラドーム大阪はストレスで、はち切れそうになっていた。

 ずっと一塁を守っていた。この回から、今季初めての三塁についた。新井良は「あれで負けたからね…。久しぶりだったからと言うのは全然ない。普通に俺が悪送球した」と責任を背負い込んだ。

 失策で失った決勝点も痛い。だが、開幕から6試合で早くも3度目の“完封負け”という貧打も目に余る。和田監督は「ゼロじゃ勝てんわね。(カブレラが)難しいと言ってたら勝負にならんし、また当たるわけやから。ゼロじゃ勝てんな」と嘆いた。何しろいまだに本塁打は出ていない。これは12球団唯一で、開幕から6試合連続の無本塁打は48年以来65年ぶり。2リーグ分立後では88年の5試合連続を超え最長となった。

 坂井オーナーが厳命した「開幕ダッシュ」どころか、2カード連続の負け越し。和田監督は「ホームランというか、1点も取れてないから。まずは点を取ります」。問いかけをさえぎるように、きびすを返した。指揮官も虎党も、イライラが頂点に近づいている。【近間康隆】

 ▼阪神は開幕6試合連続で本塁打0。1リーグ時代の48年以来チーム65年ぶりで、2リーグ分立後では88年の5試合連続を超え最長となった。なお88年は6戦目の4月15日大洋戦で、真弓が2発を放ち記録を止めている。