<日本ハム1-6ソフトバンク>◇5日◇札幌ドーム
今度は沢村賞投手も打った。日本ハムの大谷翔平投手(18)が鮮やかな本拠地デビューを飾った。ソフトバンク戦で4試合ぶりに「8番右翼」でスタメン復帰。2回の第1打席でいきなり左中間二塁打を放ち、札幌ドームを沸かせた。続く2打席は凡退したが、リーグ開幕の29日西武戦では岸から2安打。この日はWBC代表で昨季沢村賞の摂津といずれも好投手からの安打をマークし、打者・大谷の資質の高さを見せつけた。
公式戦本拠地初打席でも、大谷は自然体だった。2回2死の第1打席。足場を固め、バットを揺らす。あるのは興奮ではなく、適度な緊張感。頭の中は冷静を保っていた。「1試合を通して組み立てる中での、第1打席。シンカーはないと思った。データもあったので、ストレートだと思いました」。ソフトバンク摂津の初球、描いた通りの137キロ直球に反応した。打球は大きく開いた左中間へ。逆方向への大飛球は、最大の持ち味。悠々到達した二塁ベース上で、小さく拳を握った。
大谷
しっかり打てたのでよかったです。だいぶいい感じでスイングできました。多くのファンの方に来ていただいてうれしかったです。
直後のイニング間。まるで適時打を放ったヒーローをたたえるかのように、守備位置に走る大谷に大きな拍手が送られた。球団移転10年目。節目の本拠地初戦で一番の声援を浴びたのは、この先の日本球界を背負っていくであろう、若き希望の星。栗山監督も「一発で仕留めるのはたいしたもの。ガムシャラに野球をやる姿は、チームに必要」とたたえた。
投手調整との兼ね合いもあり、出場は3試合ぶり。スタメン出場も先月30日以来だったが、2安打を放った開幕戦の西武岸に続き、エース級投手から結果を残す。5回にも、左打者の攻略が難しいとされる摂津のシンカーに、うまくバットを合わせた(結果は二直)。「カーブが思ったよりすごかった。シンカーとかチェンジアップとか、逆(方向)に曲がる球はまだまだ」と課題は口にするが、「ストレートに関しては打ててきている」と自信ものぞかせた。
起用の裏には、栗山監督のひそかな戦略もある。スタメン出場3試合の敵先発は、西武岸、菊池とこの日の摂津。主力投手にぶつけている。同監督は「プロで勝てる投手がどう投げるのか、体感してほしい。終わってみて、自分の投げる方にもプラスにしてほしい」と言う。来週11日イースタン・リーグ、ロッテ戦(ロッテ浦和)では、先発投手デビューも予定されている。投打二刀流の道を歩んでいくうえで、必ず糧となる経験。そしてそれを経験だけに終わらせず、結果も伴わせるのが、大谷翔平という男の底深さだ。【本間翼】



