<巨人7-2中日>◇5日◇東京ドーム

 負けない巨人が天敵のアウトローを攻略して打ち崩した。3回、長野が中日吉見一起投手(28)から左翼スタンドへ1号ソロを放ち、先制。4回にはボウカーが2戦連発となる2号2ランで加点と主導権を奪った。6回には坂本、阿部が厳しい外角低めを打ち返し、勝負を決定づけた。吉見には昨季1勝4敗、防御率1・32と抑えられた。今季初対戦で7得点と打ちまくり、開幕から5連勝と勢いは止まらない。もう巨人に死角はない?

 巨人打線が中日吉見のアウトローに照準を定めた。1点を先制し、なおも4回。村田が外角低めのスライダーをセンター前にはじき返す。決して甘い球ではない。続くボウカーは初球の外角低めのボール球を見極め、次にやや甘く入った外角のフォークを逆らわずに左中間スタンドに運んだ。昨季は1勝4敗、防御率1・32に封じられた天敵を着々と攻略した。

 明確な狙いがあった。村田は振り返った。「両方ではなく、内か外かどっちかを狙わないといけない。外の低めにスライダーとか出し入れする投手なので、外を狙った方が確率が高い」。ボウカーもコンセプトは同じだった。「その通りだ。無理をしないでボールに逆らわず、外の変化球を打つ。その通りできてよかった」。吉見は球界でも屈指の制球力を誇る。内も外も二兎(にと)を追ってはいけない。逆に言えば、制球ミスが少ないため、1点に狙いを絞ることができる。アウトローに出し入れする相手エースの生命線を断った。

 6回もアウトロー攻略が勝敗を決定づけるビッグイニングを呼んだ。坂本は外角低めのスライダーを、阿部は外角低めに逃げるフォークをセンター前へ運んだ。盗塁も絡めて2人で1点を追加。アウトローを制して吉見の翼をもぎ取り、矢野が失投に3ランでとどめを刺した。川相ヘッドコーチは「(吉見は)コントロールが非常にいい。アウトローにスライダー、フォークを集めてくる。その中で少ない失投を逃さずワンチャンスで決めた。良かったのは阿部と坂本の1点」と分析した。

 開幕5連勝と最強のオーラは日に日に増している。原辰徳監督(54)は「相手のエースだし、これから何度も対戦がある。多くは語れないが、今日はしっかり攻略できたということ」と対吉見の初戦を締めくくった。天敵を飲み込み、さらに白星へ突き進む。【広重竜太郎】

 ◆吉見の巨人戦

 昨年は4勝1敗、防御率1・32。10年にも5勝1敗と大きく勝ち越し、昨年まで通算では11勝5敗。08年以降、巨人からシーズン4勝以上挙げたのは09年能見(阪神)4勝2敗、10年吉見5勝1敗、11年能見4勝1敗、12年吉見4勝1敗と、能見と吉見の2人だけ。巨人にとっては能見と並ぶ苦手投手になっている。

 ▼巨人が昨年1勝4敗と苦しんだ吉見を攻略して5連勝。巨人の開幕連勝は1リーグ時代の41年にマークした7連勝が最高で、5連勝以上は98年以来6度目。2リーグ制後では5度目のタイ記録となった。吉見から7点以上取ったチームは、10年8月26日巨人が5本塁打で7点挙げて以来、3年ぶり。3本塁打以上もこの時の巨人以来だ。昨年の巨人は開幕から10試合連続本塁打0で、24試合消化した4月終了時でもまだ8本塁打。今年は開幕から2本、0本、1本、0本、2本、3本と早くも8本となり、そのうち6本が1点差以内の場面。今年は効果的な1発がよく出る。