<日本ハム3-2ソフトバンク>◇7日◇札幌ドーム

 ソフトバンク内川聖一外野手(30)が偉人たちに肩を並べた。7日の日本ハム戦で生涯打率の条件となる4000打数をクリア。通算打率3割1分4厘で歴代5位、日本人右打者1位にランクインした。3回に先制適時二塁打を放つも、得点機に2度凡退。チームも3連勝を逃した。節目を飾れず、内川は「もう少しどうにかできた」と敗戦を悔やんだ。

 プロ13年目で「打撃の神様」川上を通算打率で1厘差で上回る領域に入った。現役ではもちろん最高だが、あくまでも生涯成績だから今は無関心だ。内川は常々、語っていた。「打率は引退した時にそうならいいけど、今は何とも。ただそれだけ試合に出て打席に立ったことは誇りにしたい」。チームが逆転で敗れ、この話題は封印。それでも内川の道のりを語るにふさわしい数字だろう。

 プロ初安打は、横浜時代の02年4月24日で中日の守護神ギャラードから右前打。偶然にもここ札幌ドームだった。史上2人目のセ・パ両リーグで首位打者を獲得し、WBCにも2度出場したバットマンが大切にするのは「試合に出る」こと。昨年8月中旬に右手薬指を骨折しても、出場を重ねて最多安打。今も曲がったままの指は勲章で、人に頼まれると気さくに披露する。今季は新たな個人トレーナーと契約した。「自分は体が硬い。長く野球をするには、けがをしない、しなやかに動ける体がいる」と、先を見据えて右半身に偏る左右のバランスを整える。

 昨年は157安打。うち打球方向別では右翼の52本が最多だった。打撃の好調度を測るバロメーターの1つは右翼線へのヒットだ。「ファウルになっていたのが、ボールをつかまえている感覚が出てくる」と幅3インチ(約7・6センチ)のラインを襲った打球が内側へ入ってくる。内川らしい感覚で全方位へ飛ばせる。

 この日は3回に先制適時二塁打を放つも、1回は1死三塁で空振り三振。4回もチャンスで痛烈なピッチャー返しが矢貫のスパイクに当たり、遊ゴロ。「いろいろ思うところもあるし、個人的にもう少しどうにかできたと思う」。個人記録より目の前の勝利。安打製造機はまた明日からバットを振り続ける。【押谷謙爾】

 ▼内川が日本ハム戦の第1打席で4000打数に到達した。プロ野球公式記録集で通算打率ランキングの条件をクリア。通算3割1分4厘は5位で、右打者ではブーマーに次ぎ2位。日本人右打者に限れば最高打率だ。横浜在籍の08年から続けているシーズン打率3割以上5年連続は現役最長となっている。