<巨人1-8阪神>◇18日◇東京ドーム

 巨人が完敗した。先発沢村拓一投手(25)が3回4失点でKO。打線も、1週間前に完封された榎田から、8回に村田の適時打で1点を奪うのがやっとだった。原辰徳監督(54)は沢村について「なかなかゲームを作れない。点の取られ方も、いい内容ではない。本人が本人を、一番期待している。糧とする必要がありますね」とハッパを掛けた。打線については「うーん。各自が工夫しているんだけど。つながり、絡みも良くなかった。結果として、相手が上回った」と、淡々と話した。

 投打の両面とも、甲子園で出た課題をクリアできなかった。

 沢村は前回登板と同じく、立ち上がりに失点して主導権を渡した。1回、先頭の西岡に四球。鳥谷、福留の適時打も阿部の構えとは違った。3回、2死無走者からの失点もそうだった。マートンに打たれた2ランは、スライダーが打ちごろに入った。頼みの直球も打者への押し込みがなく、阪神打線にことごとく当てられた。「失点が現実。変化球の精度が一番の課題。このままではいけない」と反省した。

 阪神榎田は沢村と対照的だった。スライダーとチェンジアップを両コーナーにしぶとく散らしてきた。主力に対して時折見せる内角球も非常に効果的で、目線や足もとをずらされた。セットアッパーから先発に転向し、技巧派の色を濃くした左腕。長いシーズンで天敵とならぬよう、対策が必須となった。

 連勝は5で止まった。昨季から続けてきた東京ドームでの連勝も、14で止まった。開幕ダッシュに成功している。取り組むべきテーマはハッキリと定まった。小休止の1敗を“三度目の正直”に向けた良薬としたい。【宮下敬至】

 ▼沢村が3回4失点で敗戦投手となり、巨人は5連勝でストップ。沢村がチームの5連勝以上を止めたのは、昨年5月26日ロッテ戦10連勝、7月31日中日戦6連勝に次いで3度目。沢村が入団した11年以降、5連勝以上を3度止めた巨人投手は沢村だけ。開幕からの東京ドームの連勝も10でストップ。東京ドームのシーズン連勝記録は12年6~7月の11連勝だが、この時も沢村が敗戦投手で連勝が止まっている。