<巨人1-8阪神>◇18日◇東京ドーム
巨人キラーの誕生や!
阪神先発榎田大樹投手(26)が巨人の強力打線相手に8回途中まで6安打1失点の好投。これで2週連続でG斬りを達成しての連勝。防御率0・385と12球団トップの安定感で、虎投をけん引していく。
舞台は変わったが、1週間前と同じ光景だった。8回途中でマウンドを降りた榎田に、スタンドから拍手のシャワーが送られた。7回2/3を1失点。防御率0・00はキープできなかったが、114球の熱投で堂々の2連勝だ。
榎田
とりあえず低目を心がけた。そんなに意識せず、日高さんのミットだけを目がけて投げました。
またも、巨人を苦しめた。前回の11日甲子園で、巨人相手に先発初勝利を挙げていた。この日は東京ドームで今季負けなし、昨季から14連勝中だった巨人の牙城を崩した。16日は能見が阿部の3ランに沈み、前日はスタンリッジと歳内で4発被弾。手も足も出ないかと思われた破壊力ある打線を左腕が黙らせた。
テンポよく投げ、攻撃をさせなかった。阿部、ロペスには死球も与えたが、ひるまずに攻め続けた。最大の危機は4点リードの4回1死満塁。前回対戦でも2三振を奪っていたボウカーを空振り三振で2死。続く村田の打球は三遊間を襲ったが、坂が飛びつきファインプレー。味方の好プレーが飛び出すのも、リズムのよさを物語っていると言える。
「ボールが浮いて、真っすぐも抜けていた。その中で粘れたのがよかった」と本調子ではない中、なかなかホームを踏ませなかった。5回から7回は毎回走者を出しながら要所を締めた。「5、6回で捕まるかと思っていたけど、あそこまでいけててよかったです」。8回に村田に適時打を浴びたところで降板。初完封とはいかなかったが、先発転向1年目にして文句の付けようがない快投だった。
マウンドで黙々と投げる榎田は優しいアニキだ。日本新薬でプレーする弟・宏樹さんを気にかけ、時間をつくり試合に駆けつける。宏樹さんは「兄貴は生活をかけてやっている。年末も時間を無駄にせず、練習していた。トップでやっている人なんだと思います」と兄の背中を追う。
チームではルーキー藤浪の兄貴分。先発陣の中では最も年齢が近い。キャッチボールの相手も務め、時にはピッチングのことも話し合う。藤浪も「いろいろ教えて下さいますし、すごくよくしてもらっている」と信頼を寄せている。
この日で3敗目の巨人から、早くも2勝を挙げた。前回と合わせて15回1/3でわずか1失点。新たな「巨人キラー」になりつつある。「相手がどう感じているかはわからない。自分は自分のピッチングをするだけです」。この揺るぎなさこそ榎田の強さだ。【山本大地】



