<巨人1-8阪神>◇18日◇東京ドーム
不振に苦しんでいたスラッガーも快勝の中で復調のきっかけをつかんだ。前夜まで4戦連続無安打だった阪神福留孝介外野手(35)が、初回に貴重な中前適時打。首位巨人追撃には欠かせない男のバットに快音が出始めた。
「5番福留」が阪神の速攻劇に加わった。1回、1点を先制してなおも2死三塁で、球足の速いゴロが二塁左を抜けた。12日DeNA戦以来17打席ぶりの安打は中前への適時打。試合開始9分での貴重な2点目をたたき出した。「ああだこうだと考えるより、打てる球がきたらどんどんいこうと。何でも振ろうと思って振った結果です」。好球必打を胸に初球を仕留め、イニング間には左翼席の虎党に深々と頭を下げた。
発奮材料があった。試合前の打撃練習を終え、ロッカーへ戻る時だった。「今日ぐらいはチャンスで打ってくれよ~」。ベンチ上の金網越しにファンから、ヤジのような叱咤(しった)の声が飛んだ。調子が上がらず、前日17日は初めて6番に下がった。一夜でクリーンアップに戻ったが、静かに闘志を燃やしていた。
和田監督が8点大勝劇で一番喜んだのが、この一打だった。「特に福留がね。これをきっかけに調子を上げてくれれば。西岡が出てマートンが返すパターンだけで1点2点で止まっていたけど、前後が続くと得点力が変わってくる」。開幕から早出特打に付き添い、ティー打撃では直々にトスを上げることもある。その勝負強さに期待するからこそ、指揮官の声も弾んだ。
第2打席は巨人坂本の好守に阻まれ、第4打席は二塁への力強い打球だった。安打こそ1本に終わり、打率1割3分8厘は規定打席到達者最下位のまま。それでも手応えはつかんだ。「ちょっとずつ良くなっている。これ以上、下がることはないから」。スロースターターのエンジンが、かかってきた。【近間康隆】



