<阪神7-3ヤクルト>◇19日◇甲子園
あと1センチでも距離があれば、いやボールの回転が違うだけでも、今季甲子園1号になっていただろう。ヒーローの座は福留に譲ったが、阪神マット・マートン外野手(31)の口火打なしに4時間38分の劇的勝利は語れない。
3点を追う7回。先頭の2番大和が出塁するも、3番鳥谷は一飛。反撃ムードが一瞬しぼんだ直後、4番が流れを引き寄せた。ロマンの初球、高めスライダーを強振。大飛球は中堅フェンス頂点部分に跳ね、ボールが転々とする間に三塁を陥れた。2点差に迫る適時三塁打。直後、5番福留の同点2ランが飛び出した。M砲が作り出した勢いが途切れることなく、延長12回の福留サヨナラ満塁弾にまでつながった。
「三塁打も良かったけど、福留さんがよく打ってくれた。これだけ長い試合をしたんだから、なんとか勝ちたかった。最後も福留さんがよく打ってくれたよ」
優良助っ人もほっとしていた。前日18日巨人戦は今季1号に二塁打2本を放ち、来日4年目で最多の5打点をたたき出した。これで3試合連続で2安打以上。打率は3割5分2厘まで上昇した。
メジャー復帰をもくろみ大振りした姿はもう、ない。この日の三塁打もミートを意識した上での強振。延長11回裏には先頭で長打を狙わず、左前にライナーを飛ばした。打ち出の小づちと化した雰囲気、それは日本記録のシーズン214安打を達成した10年の姿に、よく似ている。【佐井陽介】



