<DeNA4-3中日>◇21日◇横浜

 中日谷繁元信捕手(42)が、どん底のチーム状態で、奮起を期待する投手陣に活を入れた。延長12回。8番手のルーキー井上が打たれ、今カード2度目のサヨナラ負け。春とは思えないハマの寒さが身に染みる今季2度目の3連敗。借金は現守道政権ワースト、チーム2年ぶりの5まで膨らんだ。高木監督以下、バスへと敗者の行進が続く。そんな中でもベテラン谷繁はいつも通り堂々と歩いた。百戦錬磨の男はあえて厳しい言葉を吐いた。

 「みんな優しいんだよ。戦う集団じゃない」

 矛先は投手陣。昨季までの仲間だったDeNA4番ブランコにいいようにやられている。遠慮がある訳ではないだろうが勝負球が甘くなり、開幕カードからブラ砲に4戦連続被弾の赤っ恥。6試合で20打数8安打10打点、4本塁打。あえて厳しい言葉で奮起を促した。

 「戦う」-。谷繁は口に出すだけでなく、プレーで体現してみせた。厳しい言葉にも重みが伴う。1点を追う8回2死三塁ではブランコと同じように中日を去っていったソーサの151キロ直球を狙い打ち。「気合120%」と振り返るフルスイングで中前適時打。やるかやられるか-。昨季までの仲間にも甘い顔ひとつみせず、結果を出した。だから、もどかしい。

 2回にも安打を放ち、計2安打で通算2000本安打の大記録へ9本とした。残りはついにひとケタ。カウントダウンが始まった。ただ、個人記録である打撃についてはコメントしようとせず、あえて吐いた厳しい言葉。これを投手陣、そしてチームがどう受け止めるか。戦う集団なら、やり返すしかない。【八反誠】