<西武2-9楽天>◇27日◇西武ドーム

 楽天のルーキー則本昂大投手(22)が、節目の勝利を力投で飾った。西武戦に先発し、7回3安打1失点。5四球で制球を乱し、球数が110球を超えて完投はできなかったが、打線の援護にも助けられ、2勝目を挙げた。この日の勝利で球団通算500勝(628敗)に到達。創設時の苦労を乗り越えてきたチームは、ここから悲願のリーグ優勝を目指す。

 ルーキーが節目の勝利をプレゼントしてくれた。則本が7回112球の粘投。首位西武を相手にしても落ち着いて投球した。試合後、「500勝はチームにとって良いことです」と喜んだが、5四球という内容に「本当なら完投するつもりでしたけど、球数が多くなってしまった。もっと制球を良くしないといけない」と反省も忘れなかった。

 “約束”があった。登板前日の26日、「500勝だそうなので監督に(ウイニングボールを)渡したい」と言った。完投しなければ直接は渡せない。翌日、それを伝え聞いた星野監督は「完投してくれるってことか。そろそろできるかな」と、プロ初完投勝利に期待を膨らませていた。しかし7回で降板。9回に登板した高堀が、スタンドへ勝利球を投げ入れてしまうハプニングも続いたが、無事チームの手元に届けられた。

 球団創設9年目で500勝に到達。星野監督は「遅いくらい」と冗談めかしたが、「みんなで積み上げたもの」と、ゼロからのスタートでコツコツ歩んできた選手、チームスタッフ、球団職員の苦労を思いやった。創設元年から支えてきた池田副社長が「04年の最初の秋季キャンプは近鉄さんのご厚意で藤井寺球場をお借りして。人手もいなくて。球団の幹部も一緒に、みんなで球拾いをしましたね」と感慨深げに振り返るように、険しい道だった。

 ルーキーが粘投し、大黒柱の嶋と主将の松井が本塁打を放つなど、快勝で節目の勝利を飾った。試合を見守っていた立花球団社長も「松井、嶋に本塁打が出て、これからチームを背負う則本で勝ったことをうれしく思います」と喜んだ。首位との3連戦の初戦を制し、星野監督は「良いチームだから、なんとか食い下がっていければね」と。500勝は通過点。チーム全員で、東北のファンの夢であるリーグ優勝、そして日本一に向かう。【斎藤庸裕】