<DeNA3-12ヤクルト>◇29日◇横浜

 DeNAが“定位置”に転落した。今季5度目の2ケタ失点で大敗し最下位。中畑清監督(59)もいらだちを隠せなかった。「結構怒ってます。だんだん怒りが大きくなっている。戦う集団でいたいけど、それが出来ていない。満員のお客さんの前で見せる野球のレベルじゃないし、お金をもらってやるレベルじゃない」。07年の開幕カード(巨人戦)以来、6年ぶりの3試合連続大入りとなった横浜スタジアムでのぶざまな試合に、一気にまくしたてた。

 “投壊”が止まらない。ここ7試合の総失点は58。27日阪神戦で藤井が1失点完投勝利を挙げたが、先発が先制を許して逃げ切られる試合を重ねている。この日も土屋が6点を奪われ、2回持たずKO。1回先頭の比屋根にストレートの四球を与え、立ち直る気配のなかった姿を中畑監督は、「いくら初めてでもストライクが取れないと、どうしようもない。投手の独り相撲」と切り捨てた。

 今季先制された14試合のうち、逆転勝ちは2試合。ブランコの加入で打線に厚みが増したが、先発が試合を作れないと勝利に結び付かない。3試合以上先発して、合計の失点1ケタ台は藤井と小杉の2人のみ。2軍に先発を託せる投手がいれば即昇格させたいところだが、そのコマもいない。国吉は不調が続き、加賀美は脇腹痛という状況だ。

 それでも手を打たないといけない。今日30日から小林寛、菊地の2人の中継ぎを1軍に招集。中畑監督は「今は力のない投手陣を素直に認めるしかない。状態のいい投手を早め早めに使ってやりくりしていくしかない」。昨季より19試合遅い最下位転落だが、課題の先発問題を打開しないと、このまま“定位置”となりかねない。【佐竹実】