<阪神10-4四国アイランドリーグplus選抜>◇21日◇鳴尾浜

 さあ、大谷との対決へ!

 背中と腰の張りで離脱している阪神のルーキー藤浪晋太郎投手(19)が、練習試合の四国ILplus選抜戦で実戦復帰した。5日ヤクルト戦(甲子園)以来の登板は3回3失点で準備完了。1軍復帰予定の26日日本ハム戦に向け、球団側も異例の「藤浪・大谷コラボグッズ」を製作するなど夢の対決へ、着々と準備が進む。

 2週間以上のブランクがあっても、力強さに陰りはなかった。鳴尾浜のマウンドに初めて上がった藤浪は初回からいきなり2者連続の三振を奪うなど、3回を投げ5奪三振。最速は151キロをマークした。久々のマウンドに、確かな手応えを感じ取った。

 藤浪

 バッターとの兼ね合いだけだったので。感覚はつかめましたし、悪くなかったと思います。

 制球に苦しみ、不利なカウントから安打を許す場面もあった。3回には2死を取ってから、2安打と死球で満塁。最後は左中間二塁打を浴び、走者一掃で3失点。それでも19歳に不安の色はなかった。「(打たれた結果は)気にしてないですし、実戦的な配球とは違うので」と前向きに話した。

 背中と腰の張りで、11日に出場選手登録を抹消された。開幕以来守ってきた日曜日のマウンドは、2週連続で回避。5日ヤクルト戦以来の実戦マウンドで「本番」への準備を計った。腰の張りの不安も解消され、予定通り26日の日本ハム戦(甲子園)で1軍復帰。高校時代からのライバル大谷とプロ初対決が実現しそうだ。

 遠征先の関東から日帰りで視察した中西投手コーチも「試合の中で投げながら作っていくタイプ。次の登板で10割では入れないと思うけど、徐々に上げていってもらう」とあらためて先発ローテでは不動であることを強調した。

 夢の激突へ、周囲も盛り上がってきた。球団の営業担当者は「一番話題性がある」と、阪神側から日本ハム側へ持ちかけ、Tシャツなど藤浪と大谷のコラボレーショングッズの発売を実現させた。球団の垣根を越える異例の企画は「普通のグッズを作るよりも、手間はかかります」と困難はあった。だが、それでも実行する価値があると判断された。

 藤浪はこの日の登板後、クールビズの涼しげなスタイルをしっかり決め込み、1軍が遠征する千葉へ向かった。球界全体が注目するであろう「5・26」に向け、着々と準備が整えられる。【山本大地】