阪神坂井信也オーナー(65=阪神電鉄本社会長)が続投することが24日、明らかになった。宮崎恒彰前オーナーから引き継いだのが08年6月、今年で丸5年の任期を終了。オーナー職に年限は存在しないが、今シーズンは節目の年。チームはセ・リーグ2位で好調を保ち、オーナー6年目に突入することで、長期政権になる可能性が高くなった。

 複数関係者によると、同オーナーはチーム再建に並々ならぬ意欲をにじませているという。歴代オーナーの中でも野球に対する造詣が深く、甲子園球場リニューアル、タイガースのブランド化を含めた球団経営に積極的に取り組んできた。オーナー初年度の08年はV争いをしながら終盤に大失速、05年を最後に優勝から遠ざかっている。ここ2年連続Bクラスに低迷、福留、西岡らの補強で立て直しを図ってきた。

 また、坂井オーナーは日本民営鉄道協会会長に就任することも内定、5月31日同協会の理事会で正式決定の運びとなった。阪神電鉄トップで、国内の鉄道事業者で構成される同職が2年任期ということも、オーナー職継続を後押し。集客面などの興行、チーム強化に向けての懸案は横たわるが、8年ぶり悲願V、常勝球団の構築へ、阪神が改めて態勢を整える。

 ◆坂井信也(さかい・しんや)1948年(昭23)2月9日生まれ。神戸市出身。神戸大経済学部を卒業し、阪神電鉄入社。経理部長などを経て、02年(平14)6月同取締役、05年6月常務取締役、06年6月代表取締役社長、11年4月から代表取締役会長。阪急阪神ホールディングス代表取締役。