広島は11日、キラ・カアイフエ内野手(29=ダイヤモンドバックス3A)を獲得したことを、発表した。年俸3500万円プラス出来高払い、背番号は13。左打ちのハワイアンは、メジャー通算15本塁打の長距離砲。エルドレッドとともに、左右の大砲タッグを結成し、12球団ワーストの得点力アップが期待される。7人目の助っ人がクライマックスシリーズ進出の悲願をかなえる。(金額は推定)

 主人公はそろった。7人目の外国人の名は、キラ・カアイフエ。193センチ、106キロの巨体から繰り出すパワーが持ち味の左の長距離砲だ。メジャー通算15本塁打の実績があり、松田元オーナー(62)も「エルドレッドよりパワーは上じゃないか」と期待を寄せる。

 人気漫画「デスノート」の登場人物と同じ名前の「キラ」は、ノートに名前を書き込むのではなく、バットで相手投手を恐怖に陥れる。今季はダイヤモンドバックス傘下3Aリノでプレー。53試合で16本塁打。これは、パシフィック・コースト・リーグでトップの数字だ。相手チームは三塁手が遊撃手のあたりを守る「キラ・シフト」を採るほど、恐れられる存在だった。球団は右打ちの外野手を探していたが、このパワーを評価し獲得に至った。

 守備位置は主に一塁手。重量打線を組むとなれば、エルドレッドを外野で起用することになる。チームの総得点191、29本塁打は、いずれも12球団ワースト。それでも、リーグ3位に付けているのは投手陣の踏ん張りよるところが大きい。

 新外国人は来週にも来日し、その後は2軍戦で調整し、6月末の1軍合流を目指す。貧打解消は急務だが、野村監督は慎重な姿勢を見せた。「ファームで出て、よければ使っていこうと思う。うまくはまってくれればいいけど、ルイスにしても苦労したから」。シーズン途中の加入とはいえ、日本の野球になれることを優先させ、その中で外国人選手同士の競争をあおっていく方針だ。

 「キラ」と「エル」の左右の大砲が、打線の中軸に名を連ねれば打線の破壊力は増すはず。広島のチームカラーも変わるだろう。16年ぶりのAクラス入り、いや、22年ぶりのリーグ優勝へ-。セ界の勢力図も変えてしまう。【鎌田真一郎】

 ◆キラ・カアイフエ

 1984年3月29日、米国ハワイ州生まれ。イオラニ高校から、02年にドラフト15巡目でロイヤルズに入団。08年9月にメジャーデビュー。12年にアスレチックスに移籍し、13年からはダイヤモンドバックス傘下3Aリノでプレーした。メジャー通算、126試合に出場し、打率2割2分1厘、15本塁打、46打点。193センチ、106キロ。右投げ左打ち。<広島の外国人現状>【1軍】

 

 

 

 

 

 

 

 

 ブライアン・バリントン投手(32)

 チーム最多の12試合に先発するも、前回登板の6日ロッテ戦で右腰を強打。2勝5敗、防御率2・52。

 キャム・ミコライオ投手(29)

 2年目の今季、シーズン当初からクローザーを務める。24試合に登板し、1勝2敗12セーブ、防御率1・78。

 ブラッド・エルドレッド内野手(32)

 右手骨折から復帰し、8日西武戦では決勝弾を放つ。23試合で打率2割4分7厘、3本塁打、10打点。

 ニック・スタビノア外野手(31)

 交流戦でのDH要員として、左膝手術から復活も1軍投手に苦戦。13試合で打率1割7分1厘、1本塁打、3打点。【2軍】

 

 

 

 

 

 

 

 

 フレッド・ルイス外野手(32)

 強打の新戦力として期待されるも、不振と守備で不安を露呈し2軍落ち。37試合で打率2割3分4厘、2本塁打、6打点。

 ミゲル・ソコロビッチ投手(26)

 セットアッパー候補として期待されたが、度重なる故障で2軍調整中。2試合に登板し、0勝1敗、防御率6・75。