<DeNA13-1ヤクルト>◇16日◇横浜

 快勝にもかかわらず、DeNA中畑清監督(59)は眉間にしわを寄せて、会見場に現れた。「どういう試合だったか、思い出そうとしてます。あ、1つ1つ思い出してきました」。1打1打振り返るのが難しくなるほど、打線がつながっての15安打13得点。07年以来となる5位以上での折り返しを決め、「何点でも取ろうという貪欲さがあった。最後の最後まで切れないで攻撃をつなげてくれて、力強いね」と、手応えをにじませた。

 その象徴が5点差で迎えた7回だった。1死一塁から3本の二塁打を含む7連続安打。主砲ブランコが「センターからライトを意識した」打撃で右翼線への二塁打を放てば、中村も「基本に忠実にセンター方向を意識して強く振る」ことに集中しての中前打でつなぐ。ここまでリーグ2位の73本塁打を放っている打線が、アーチなしで一挙7点を奪ってみせた。

 日本一となった98年のマシンガン打線をほうふつとさせたが、当時の打線を担った波留打撃コーチは、さらなる向上を求める。「今日は最後まで集中力が切れなかったこと、甘い球をミスショットしなかったことは評価出来るけど、うちはこれが出来ないと勝てない。まだまだです」と、引き締めた。

 それでも7月初の連勝で7カードぶりの勝ち越し。中畑監督が目標のCS進出に向け、「正念場」と位置付けた前半戦を締めくくる9連戦はここまで4勝4敗。今日勝てば勝ち越しも決まる。「球宴休みも休みたくなくなってきたね。このままいっちゃうか」と笑ったが、その言葉通りの勢いがついてきた。【佐竹実】