<オールスターゲーム:全パ1-1全セ>◇第1戦◇19日◇札幌ドーム

 DeNA三浦大輔投手(39)が、計測不能の“超遅球”で二刀流ルーキーを手玉に取った。全セの3番手で6回から登板。2死一塁の場面で、注目の大谷を打席に迎えた。3球連続の直球で2ストライクに追い込むと「もういいやろう」と、作戦を切り替えた。4球目は、お祭り限定の超スローカーブ。フワリと大きな弧を描くウイニングショットで、ボテボテの投ゴロに打ち取った。

 遅すぎるボールに、球場のスピードガンも面食らったのか、球速は表示されなかった。三浦は「80キロぐらいじゃないですか」と、してやったりの表情を浮かべた。その一方で、大谷の底知れぬ潜在能力は感じた様子で「高卒新人とは思えない雰囲気があった。甘くいったらいかれてしまうような」と、振り返った。

 中田、内川にも超スローカーブを投じるなど、札幌のファンを大いに沸かせた。2回を無失点に抑え「ホント、楽しかった。野球の原点に返れた」と、気持ち良さそうに汗をぬぐった。ブランコがホームラン競争で優勝し、中村も適時打。初のCS進出も視野に入れるDeNAの勢いを象徴するような一戦となった。三浦は「タイミングがあれば、シーズンでも(超遅球を)使いたいけど…。オールスターとシーズンは違うので」と、真剣な目で後半戦を見据えた。