<ロッテ3-4日本ハム>◇1日◇QVCマリン
まばゆいほどのカメラのフラッシュに、はにかみながら目を細めた。日本ハムのドラフト6位ルーキー屋宜照悟投手(24)が、プロ初白星をつかんだ。同点の4回に2番手で登板。2度目の1軍マウンドで最速146キロの直球を強気に投げ込み、2回無失点。鍵谷、大谷に続く3人目の新人勝利は球団史上14年ぶり。「初勝利までもう少し…と考えていたら、緊張しました」。初々しく照れながら、歓喜の瞬間を迎えた。
日本ハムとは、赤い糸で結ばれていた。出身の社会人JX-ENEOSの投手コーチが、日本ハムOB高橋憲幸氏(42)だった。現役時代に左の中継ぎで活躍した同氏を慕い、技術以外にプロとしての心得も学んだ。「1番の恩人です」。プロ入り後も、教えを守った。課題だった精神面を鍛えるべく、工藤公康氏(50)ら元プロ選手の自叙伝を教科書にした。「自分はピンチになると弱気になる。どうしたら考え方を変えられるのか知りたかった」。移動時間は読書に充て、ひたすら弱点と向き合った。
プロ入りも、運命的だった。「あの時がなかったら、今の僕はここにいなかった」。昨年9月の日本ハムとのプロアマ交流戦で快投。これをきっかけに、当時は無名だったがドラフト指名された。この日は緊迫した場面で登板も、1球1球に気迫を込めた。栗山監督は「一生懸命投げてくれた屋宜が、風を持ってきてくれた」。初勝利の輝きにも負けないほど、沖縄出身の島人(しまんちゅ)らしい、すがすがしい笑顔がきらめいた。【田中彩友美】
▼ドラフト6位の屋宜がプロ初勝利を挙げ、ドラフト1位大谷(2勝)、3位鍵谷(2勝)に次ぐ今季3人目のルーキー勝利となった。新人3投手が勝利したのは、99年の建山、立石、伊藤剛以来、14年ぶり。



