<広島7-6DeNA>◇1日◇マツダスタジアム
広島永川勝浩投手(32)が、803日ぶりの白星を手にした。同点の7回から2番手で登板。2安打で1点を失ったが、直後に打線がフレッド・ルイス外野手(32)の決勝の4号2ランなど、3点を奪い逆転勝ち。11年5月21日オリックス戦(京セラドーム)以来の勝利投手となった。かつての守護神は、重要な局面を任され、再び輝きを放ち始めている。
最高の出来ではなかった。永川勝は同点の7回から、マウンドを託された。だが、先頭の石川にセーフティーバントを決められると、1死二塁となり、モーガンに左前適時打を許した。1回2安打1失点。それでも打線が奮起し、2年ぶりの勝ち星が転がり込んだ。
「勝ち投手はタイミングだと思う。こういうところで使ってもらえるのはうれしいけど、今日は無駄にしてしまった自分に腹立たしい」
試合後に、笑顔はなかった。球団最多の164セーブを誇る右腕は、勝負の厳しさを身に染みて分かっている。不退転の覚悟で挑んだ今季は、3年ぶりの開幕1軍スタート。だが、開幕2戦目のブルペンで、右手中指を痛め、登板がないまま2軍降格となった。だが、復帰した7月以降は、不振の今村の穴を埋める活躍を見せてきた。この日の白星は、これまでの努力へのご褒美だった。
シーソーゲームにけりをつけたのも、1度2軍落ちを経験したルイスだった。7回2死二塁から、加賀美の外角直球を左翼スタンドに運ぶ4号決勝2ランとした。ベンチ前では、自らの頭文字の「L」を両腕でつくったポーズで、ハイタッチをした。アメリカ時代にもなかったポーズは、ルイスなりの考えがあった。
「野球はゲームなんだ。だから、みんながリラックスできるように、そういう雰囲気をつくろうと思ってやった」
来日当初はストライクゾーンに戸惑い、神経質になっていた。だが、6月に1軍昇格後は笑顔が目立つようになった。キラの加入後は、打率3割5分7厘と相乗効果も表れている。チームに溶け込んだ助っ人は、お立ち台でチームメートに大量の水で祝福を受けた。
「言葉を失うくらいうれしかった。みんなでやってくれて、うれしかった」
チームがまた1つ、結束を強めた夜だった。【鎌田真一郎】



