<阪神4-6中日>◇1日◇甲子園
奇跡起こせ!
巨人にかみつけ!
気分よくロードに旅立ちたかった甲子園で悪夢の逆転負け。6回に継投策が完全に裏目で、中日の19歳高橋周に逆転満塁弾を浴びてしまった。ゲリラ豪雨に見舞われたようにズタボロの和田阪神は、巨人と7・5ゲーム差。逆転優勝には絶望的なビハインドも、夏の長旅はまず東京ドームから。勝ち続ければ、ミラクルロードが開かれる。
涙雨だった。9回、阪神ナインが守りにつくのを待っていたかのように、空から雨粒が降ってきた。連日満員だった虎党の気持ちか、はたまたこの日「89歳」になった聖地の叫びか…。再び甲子園に戻ってくるのは30日の広島戦。1カ月にも及ぶ長期ロード前のラストゲームは、悲しいかな完敗だった。
負けても戦いは続く。試合前に「勝ってロードに行きたい」と意気込んでいた虎将は、前を向いていた。ズルズルと後退するわけにはいかない。ファンに頭を下げつつ、出てきたのはネバーギブアップ宣言だった。
和田監督
(巨人と)ある程度の差が開いたので、開き直って乗り込むしかない。この6試合、ロードに出る前に本当にたくさん(観衆が)入ったのに、なかなか喜ばせて帰らせることができなかった。明日からだね。しっかり前を向いて。まだまだ、という気持ちで頑張ります。
投打がかみ合わなかった。球宴明けから湿る打線は、コツコツと4点を奪った。3回無死で大和が初球から二塁へ走れば、4回1死一塁では藤井彰が2度目のランエンドヒットを成功させた。泥臭い当たりでも懸命に走り、動いて点を取った。ナインもベンチも勝利への執念を見せた。
暗転したのは、指揮官が「6回ね」という継投策だった。打たれたのなら納得がいく。逆転を許したのは、勝負から逃げるかのように見えた四球からだった。
中西投手コーチ
誤算だ。(ベンチに)7枚入れているから、駒を信用しないと。その信頼に西村が応えられなかった。四球、四球じゃ話にならん。
6回1死。好救援の左腕筒井を西村憲投手(26)に代えた。故障から復活した右腕は、今季3試合目だった。和田の左前打から平田、クラークに連続四球。1死も取れず、満塁にして降板した。直後に4番手加藤康介投手(35)は、高橋周にバックスクリーンに放り込まれた。前日の西川に続いて、高卒2年目の若武者に手痛くやられた。「西村でなく松田」「クラークに左」の声に、指揮官は静かにうなずくしかなかった。
和田監督
結果を見れば、いろんなやり方がある。こっちは、その時それが一番だと思ってやっている。西村は修羅場をくぐっている投手なんで。全体的にリリーフ陣が疲れてきているので、ここをしのがないと。流れも来てないし、ここが踏ん張りどころやね。
首位巨人はサヨナラ勝ちした。ゲーム差は7・5に広がった。今日2日からの巨人3連戦で2敗すれば自力優勝が消滅、宿敵にマジック43が点灯する。7月6日から2桁を誇っていた貯金も9まで減った。懐は寂しくなった。数字も逆転優勝に絶望的かもしれない。ただ、ここで諦めてはペナントレースの灯が消える。苦しすぎる旅立ちにも、和田監督の目は死んでいなかった。【近間康隆】
▼阪神が連敗、巨人は6連勝となり、ゲーム差が今季最大の7・5になった。阪神がリーグ優勝した5シーズンのうち、最大ゲーム差を逆転したのは64年の6・5差。数字上は、デッドラインを越えてしまった。だが近年では落合中日が10年に首位巨人との8ゲーム差を逆転して優勝。11年にはヤクルトとの10ゲーム差を逆転して連覇した例がある。
▼今日からの直接対決3連戦で巨人が2勝すれば、阪神の自力優勝の可能性は消滅し、巨人に優勝マジックが点灯する。最短は3日で、巨人が連勝すればM43が出る。



