<ソフトバンク4-5ロッテ>◇8日◇ヤフオクドーム
ロッテ伊東勤監督(50)は迷わず交代を告げた。クローザー益田が3連打で1点返され、1点差に迫られた1死二、三塁。左打ちの「代打、柳田」がコールされた時だった。「塁は埋まってる。落ち着いて1人ずつ行け」。そう言って左腕の松永を送り出すと、松永は投ゴロを冷静に本塁へ送球して2死。同点のピンチを阻み、次打者も三ゴロに打ち取った。
異例の守護神降板は、後半戦開幕時に宣言した「非情采配」の結果だ。「5点もリードしていた試合を落とすわけにはいかない。恩情よりも勝ち優先」と一切の情けを捨てた。大胆な投手采配は、ローテ変更にも表れた。
順番通りなら、この日の先発は唐川だった。だがあえて飛ばし、中5日のグライシンガーを起用した。それも「必勝ローテ」構築のため。「しんどいけど、状態がいい人を短期間で回す。連勝したいから」。ここ2週間続いた「古谷で勝ち→唐川で負け」の流れを断ち切った。グライシンガーは、今季3勝目で応えた。
逃げ切れたのはもちろん、大量リードがあったからだ。指揮官はここでも動いていた。第1打席で簡単に凡退し、俊足を生かせなかった1番荻野貴、2番岡田を呼び出した。「もう少し粘って揺さぶれ」と直々に叱咤(しった)。直後の3回、岡田がセーフティーバントと盗塁で敵失を招き、ビッグイニングの口火を切った。
絶妙な采配で、2カード連続の勝ち越しに成功した伊東監督。「久々にしびれる試合だった。今後も、こういう形はあると思う」と不敵な笑みを浮かべた。【鎌田良美】



