プロ野球記録の55本塁打まであと3本と迫るヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)が“吉兆弾”を放った。5日、ナゴヤ球場でのフリー打撃で場外弾を3発(左翼2発、左中間1発)放った。

 球場関係者も驚きの1発だった。左中間後方にある防護ネットの高さは20メートル。それを軽々と超え、隣接する新聞社の配送センターの屋根を直撃した。球場関係者は「88年日本シリーズの清原選手の場外弾と同じぐらい。左中間超えは見ないですね。あっけにとられました」と、140メートル弾に驚きを隠せなかった。

 好相性の名古屋で豪快さがよみがえった。ナゴヤドームでは打率4割4分4厘で2本塁打、中日戦は同3割8分1厘で9本塁打。雨天中止で試合が2日間なかったことで「毎日試合があった方が好調をキープできるんだけどね」と苦笑いしていた。だが、ナゴヤドームと同サイズのナゴヤ球場で柵越えを連発したことで「好調を維持できている。いいスイングができたよ」と納得の表情に変わった。

 今日からの中日3連戦で達成の可能性も十分ある。バレンティンは「そうなればいいと思う。ずっと取材を受けているので、1日でも早く達成して解き放たれたいね」と、「55号」を視野に入れた。【浜本卓也】