<中日2-4巨人>◇17日◇ナゴヤドーム

 中日の12年ぶりシーズン負け越しが決まった。先発川上憲伸投手(38)が制球を欠いて5回4失点で今季初黒星。打線もクリーンアップ3人でヒット1本と機能しなかった。これで3年連続となる巨人戦負け越しも決定。CS進出を争う3位広島とは5・5ゲーム差と後退した。宿敵巨人の目の前での胴上げ危機が迫り、CSが遠くにかすむ。守道竜よ、意地を見せてくれ!

 終盤の追い上げも勝利に結びつかなかった。2点差まで迫って迎えた9回2死一、三塁。大島のライナー気味の打球は左翼手のグラブに吸い込まれた。この瞬間に中日の01年以来、12年ぶりのシーズン負け越しが決まった。あと13試合を残してすでに負け越しが確定する寂しい状況。試合を終えた高木守道監督(72)は「そんなこと別に驚かへん。だからこういう苦労しとるわけだから」と、悔しさを覆い隠した。

 淡々とゲームが進んだ。先発川上が制球を欠いて2回に2連続四球からピンチを招くと、坂本の適時打で2点を献上。5回には「ボールの要求が真ん中にシュートした」(川上)と、真ん中に入った直球を阿部に右翼席まで運ばれた。主導権を握られ、攻撃陣も淡泊な攻めの繰り返し。ようやく堂上直、野本の適時打で終盤に2点を返したが、主軸3人で1ヒットでは、巨大戦力には対抗できない。

 ナゴヤドームなのに、まるで秋風が吹いているようだ。CS進出を争う3位広島とは5・5ゲーム差まで開いた。もはや7年連続CS進出、12年連続Aクラスは風前のともしび。高木監督は「打順は変えようないよ。じゃあ3、4番は誰が打つ?

 1番も代えようないしね」と、あくまでも現在の形で意地を見せようと必死だ。

 これで巨人戦の負け越しも決定した。この日、2位阪神が敗れたため、巨人の優勝マジックは2つ減って「3」となった。このままでは、目の前で胴上げという最悪のシナリオもあり得る。YGマークを見ると燃え上がる。巨人は高木監督が現役時代から闘志を燃やしていたライバルチームだった。原監督の胴上げを見つめて終戦なんて…悲しすぎる。【桝井聡】

 ▼中日が巨人に敗退し57勝71敗3分け。残り13試合に全勝しても70勝71敗3分けで今季の年間負け越しが決まった。中日の年間負け越しは星野政権時の01年に62勝74敗4分けで5位に終わって以来、12年ぶり。50年の2リーグ分立以降では64シーズン中、18回目の負け越し。