ソフトバンク球団の社長兼オーナー代行の笠井和彦(かさい・かずひこ)氏が21日午前10時7分、肺カルチノイドのため、都内の病院で死去した。76歳だった。香川県高松市出身。葬儀・告別式は近親者のみで行い、後日お別れの会を行う予定。喪主は妻直子(なおこ)さん。

 香川大卒。富士銀行(現みずほ銀行)副頭取、安田信託銀行(現みずほ信託銀行)会長を歴任し、00年から親会社の取締役に就任。同社グループの要職を兼任し、資金調達や投資判断などで金融界の経験を生かした。20歳下の孫正義社長を時になだめ、時に背中を押し、サポートしてきた。今年は病魔と闘いながら、米携帯電話3位のスプリント・ネクステル社の買収に力を注いだ。球団誕生の05年から現職も務めていた。

 笠井氏は、球団社長として「世界一のチームをつくれ」が口癖で、チーム編成は、王球団会長ら専門家に一任。親会社からの資金だけでなく、自ら地元財界に広告、チケット営業に回るなどバックアップした。「王貞治ベースボールミュージアム」の設立やヤフオクドームの買収、4万人超を目指しての増席など、球団運営に尽力。多忙な孫オーナーの代行として球界とのパイプ役も担ったが、車いすで出席した7月10日が、最後のオーナー会議となった。

 数年前に肝臓の手術を受けて以来、好きだった酒とタバコもやめていた。今回の病気はごく一部の関係者にしか知らされず、直近までテレビ会議やメールで業務を続けていた。