限界突破の秋だ!

 ソフトバンクの宮崎秋季キャンプが1日、生目の杜運動公園でスタート。王貞治球団会長(73)の“指令”のもと、課題の投手陣はA組(1軍)の13人中11人が初日にブルペン入り。大場、千賀らがさっそく100球以上を投げた。

 王会長は前日10月31日のミーティングで「今の選手は限界を知らない。1000本ノックは古いと言われるが、ふと力が抜けたときにいい形が出せる。ボクサーも12ラウンド戦うなら、スパーリングで15ラウンドやったりする」などとコーチ陣に語ったという。リミッターを外して、とことん選手を鍛えるよう通達した。

 現場復帰の石渡2軍監督は「ウチは完投数が少ない」と課題を掲げた。今季6完投はリーグで3完投のロッテに次いで2番目に少ない。加藤投手コーチは「肩のスタミナを作り、技術を上げるためにも投げ込む。体に染みこませることが大事」と、例年に比べてブルペンでの球数増を予告した。

 関係者によれば、王会長は来季、完投した投手の査定を倍増するプランも提案したという。秋山監督はキャンプ冒頭に「ピッチャーは球の扱いが大事。どんどん投げることだ」と訓示。投手陣の底上げが、この秋最大のテーマだ。【大池和幸】