右肘手術からの復活を期す中日山内壮馬投手(28)が21日、8月の手術後初めてブルペン入りした。ナゴヤ球場に隣接する室内練習場内で立ち投げ。肘の感覚を確かめるよう、丁寧に26球。背番号と同じ球数に復活への思いがにじんだ。

 「肘の感じも良かったです。来年はやり返す。ビシッといきます!」

 明るい山内にいつもの笑顔が戻った。寒風吹く、寒さの中で順調な回復ぶり。「オフに入る前に投げておきたかった。段階を踏んで、予定通りです」。投げられる喜びをかみしめた。

 昨季初めて10勝を挙げた。今季もローテーションの一角として期待されたが、右肘痛もあり登板は9試合。成績も2勝4敗、防御率5・54と散々で、8月28日には右肘関節形成手術を受けた。14日には減額制限を超える52%ダウン、2200万円減の2000万円で契約を更改したばかり。年俸はまさに半減。信頼と働き場所、そして年俸を取り戻すため意欲的に過ごしてきた秋季キャンプ。寒い中でのブルペン入りが、そのまま来季への意気込みだった。

 来季はプロ7年目。手術を決断しリハビリを続けてきたことで右肩と肘への不安も消えた。「今までは肘を痛める前も肩が痛かったりした。肩肘の状態がここまでいいのはプロに入ってから初めて」。しっかり走り込んだことで下半身強化も実感。投球時の悪癖「インステップする悪いクセも直っていた」とけがの功名もあった。まっさらな状態にリセットし山内が早々と再スタートを切った。【八反誠】