DeNA中畑清監督(59)が復興支援への決意を新たにした。22日、福島・南相馬市で特別顧問を務める「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」の地蔵建立除幕式に出席。「震災を忘れてはいけない。風化させたくない気持ちが一番強い。お地蔵さんはみんなの心が1つになるために出来上がった。(町が)前の形になるために、もっともっと頑張らないといけない」と力を込めた。

 親子の地蔵は、東日本大震災の津波で奇跡的に残った2本松が見渡せる海岸沿いに建立された。同市では636人が命を落とし、いまだ111人が見つかっていない。中畑監督は「子供のお地蔵さんを見たらね…。たまらないですね…」と声を詰まらせた。

 除幕式後は市内の仮設住宅を訪問。犠牲者への供養、復興への願いを込めてハト風船を大空へ飛ばした。「私は一番弱いチームで監督をやっています。でも負けてなるか、という気持ちは誰よりも強い。来年もそういう戦いを必ずする。その気持ちを忘れないようにみんなで頑張っぺ」と激励した。記念撮影では「復興に向けて、笑顔で撮りましょう!」と声を張り上げた中畑監督。来季も前だけを見て戦う姿で、力を届ける。【佐竹実】

 ◆「被災地に届けたい『お地蔵さん』プロジェクト」

 世代を超えて東日本大震災の記憶を伝え続けるため、被災地に地蔵の建立を計画するNPO法人。賛同者には中畑監督の他、長嶋茂雄氏、王貞治氏、巨人原監督ら多くの球界関係者も名前を連ねる。南相馬市に建立された地蔵は宮城・石巻市に続き2基目。岩手、宮城、福島の37市町村、約50カ所への建立を進めていく。