もしも落合GMが甲子園に行ったら!

 中日の落合博満ゼネラルマネジャー(GM=60)が24日、名古屋市内の球団事務所で球団幹部と来年1月からの動きを打ち合わせた。西山和夫球団代表(64)は来年から同GMが高校野球などアマチュアの試合も視察することを明かした。3冠王3度のレジェンドが高校野球の聖地や地方球場にも足を運ぶ。

 バックネット裏から金の卵を見つけ出す。落合GMが本格的にスカウト活動をスタートさせることが判明した。球団事務所で落合GMと来年のスケジュールを話し合った西山代表は「社会人野球を見に行くとか、そういうこともやる。高校野球も行く。現場の責任者だから」と説明した。NPBへスカウト登録も済ませており、すぐにでも動きだせる状態だ。

 落合GMは今秋ドラフト会議の指名選手検討にも加わっている。前日の会議で資料を熱心に読み込み、谷繁兼任監督、スカウト陣とドラフト戦略を練り上げた。オフの12球団合同トライアウトも球場で視察。ロッテから自由契約となった工藤の獲得を決めた。西山代表が「お飾りではない」と言うようにその行動は積極的で、軽快だ。

 とはいえ、毎日のように地方球場を巡る?

 GMと連携して仕事を進める中田スカウト部長は「他の仕事もあるからね。(甲子園の1日)4試合ずっと見るってことはない。ポイント、ポイントになるんじゃないかな」と推測する。「実際にみて分かるということはあると思う」とGMの要望があればバックアップする構え。高校野球のスタンドで落合GMが目撃される可能性は十分にありそうだ。

 現役時代に3冠王を3度獲得し、監督8年間ではリーグ優勝4度、07年には日本一にも輝いた。誰もまねできない野球人生を歩んできた落合GMに、西山代表も「日本にはなかなかGM制度が根づかなかったけど、1つの形が出来上がるんじゃないか」と期待を寄せる。谷繁2世かそれとも落合2世を見つけるのか。動くGMがニュースターを発掘する。【桝井聡】

 ◆落合GMのお仕事

 契約更改では減額制限超え5人、制限いっぱい続出の厳冬更改。8億2940万円の選手年俸削減という大なたを振るった。11月の12球団合同トライアウト視察では「この宝の山からどうやって探し出すか」と発言し、元ロッテ工藤を獲得した。巨人からFAした小笠原には「必要だから来てくれと」と直接声をかけて獲得。また異例とも言える大量13人の背番号大シャッフルを敢行。高橋周は9、平田は6に“昇格”した。