楽天が今季中に本拠地コボスタ宮城の座席を増やすことが14日、分かった。三塁側内野スタンドを増築し、常設で約3000席を増やす。既に建設地一帯を整備する工事がスタート。公式戦の傍ら、4月に本格的な工事を始め、夏には完成させる計画だ。秋以降の運用を目指す。17日に、球団から正式発表される。

 昨季のレギュラーシーズン主催試合の観客動員128万1087人は、創設9年目で最多を記録。背景には、チームの躍進があった。田中将大投手(25)の活躍もあり、初のリーグ優勝。シーズン終盤は満員が続いた。その田中はメジャー移籍するが、盛り上がりをつなぎ留めるため、過去最大規模の増設に踏み切る。いわば、田中らの活躍で上がった利益をファンに還元する“田中シート”誕生だ。

 一番のポイントは、常設となることだ。昨季も、9月に三塁側内野と左翼後方に約2100席を増設。その後も臨時席などで段階的に増やし、日本シリーズ中は最大2万8120席まで増やした。ただ、三塁側内野と左翼後方の増設は仮設スタンドによるもので、同スタンドはオフに撤去された。今回、常設とすることで、最大収容人員は常に2万6000人を超える。04年秋の球界参入時に、日本野球機構(NPB)から「2万8000席」を確保するよう要望されていた。創設10年目で、その数字に大きく近づく。