原点の地から復活だ。ソフトバンク新垣渚投手(33)が20日、沖縄・浦添市での自主トレを打ち上げた。実家から20分の浦添市民球場で動かすのは7年ぶりだ。

 「ここで僕はデビューしたんですよ」。沖縄水産2年だった97年秋、九州大会の舞台となった。2回戦の玉名(熊本)戦。背番号「10」の新垣は毎回の18奪三振で完封。準決勝の東筑(福岡)は5回参考ながらノーヒットノーラン。一気に全国に知られるようになった。

 今年は単独で自主トレを行っている。練習相手は兄の薫さん(37)。新垣が小2の時、野球を始めるきっかけとなった存在だ。高校の途中までは捕手で現在も草野球を楽しむ。借りてきた軟式用の防具を着けてブルペンで受けてくれる。

 10日からブルペン入りし、14日からは座って構えてもらった。「この時期にここまで真剣に投げているのはあまりない」。すでに9度ブルペン入り。この日も60球。直球だけでなくすべての変化球を試した。

 昨季は1勝。「肩が壊れるくらいやってみようかな」。今季の目標は06年13勝以来の2桁勝利。右肩の不安も少なくなったプロ12年目の今季、高校時代のような剛腕スタイルで先発争いに食い込む。【石橋隆雄】