巨人松井秀喜臨時コーチ(39)の投打の強化指定選手が、フリー打撃で対峙(たいじ)した。3日、自ら志願してフリー打撃に登板した宮国椋丞投手(21)が、オール直球で押し込み、大田泰示外野手(23)はフルスイングで応えた。舞台は松井氏も汗を流したひむか球場。将来、巨人軍を背負って立つ2人の競演を見守った同氏は「(宮国は)ボールが速くて、勢いがあった」と目を細めた。

 ともに、今季は「鬼」と化すことを目指す2人だった。昨季、宮国は開幕投手を務めたが6勝7敗。右下腿(かたい)内側痛で日本シリーズは登録を外れた。節分のこの日、自分にとっての「鬼は?」と聞かれ、「自分です」と即答。「去年は自分に負けたんで。負けないように鬼になります」と言った。ボールのキレを重視ながら、大田を押し込む投球は力強く映った。

 大田にとっても、「鬼」になることが求められるシーズンになる。背番号は「55」から「44」に変更。阿部らに帯同したグアム自主トレも離れた。キャンプ初の投手とのフリー打撃だったが、松井氏からの助言を生かす絶好の機会。20球目を左翼席に運んだ。25球中、ヒット性の打球は5本。宮国、大田ともに生きた時間だった。【久保賢吾】