巻き返しへ向けた投球練習だった。楽天戸村健次投手(26)が12日、ブルペンで投げ込んだ。「実戦を想定して投げました」と、今キャンプ自己最多153球。三輪バッテリーコーチのミットをバシバシ鳴らした。先発完投にあたる球数を投げ終えると「球の調子は良かったですね。この感覚で、試合でも投げられたらと思います」と充実感を漂わせた。

 先発した9日の紅白戦では、2回無死一塁で甘く入った直球を枡田に捉えられ、中堅後方のバックスクリーンまで運ばれた。2回2安打2失点で、星野監督に渋い顔をされた。今季で5年目を迎えるが、先発ローテ定着の期待に応えられずに来た。今年こそ、の思いで臨んだ実戦初戦で結果を出せなかった。この日の投げ込みには、汚名返上の思いも込められていた。

 気持ちは、星野監督にも伝わったようだ。「今日は良かったな。三輪に、うまく乗せられたな」と評価された。戸村は「先発ローテどうこうより、まずは何としても1軍にしがみつきます。2軍には絶対に戻りたくありません」と力強く言った。次の実戦登板では、必ず結果を出すつもりだ。【古川真弥】