日本ハム斎藤佑樹投手(25)の父寿孝さん(65)と母しづ子さん(52)が13日、沖縄・名護キャンプを訪問した。佑ちゃんが登板予定だった韓国KIAとの練習試合(名護)は降雨中止となったが、ブルペン投球をファンに交じって見学した。両親が斎藤のユニホーム姿を見るのは約1年ぶり。右肩関節唇損傷からカムバックを目指す息子を見つめる胸の内に潜入した。
5つあるブルペンの真ん中で、佑ちゃんが躍動していた。何重にもなって投球を見守るファンの中で、斎藤の両親は一番遠く離れた場所から見つめていた。
寿孝さん
いい感じで投げていましたね。このまま、行ってくれれば。正月に群馬での自主トレを見て、大丈夫だなと思っていましたけど、今日見てね、いい方向に進んでいるなと思いました。
しづ子さん
このまま、頑張ってほしいですね。
2人ともホッとしていた。笑顔が多く楽しそうに投げている姿に、心底うれしそうだった。
息子のユニホーム姿を生で見るのは、昨年の春季キャンプ以来だ。当時、2軍の沖縄・国頭で右肩関節唇損傷のため満足に投げられず苦悩していた。それ以降、2軍本拠地の千葉・鎌ケ谷への激励も控え、1軍復帰登板となった昨年10月2日オリックス戦(札幌ドーム)もテレビで観戦した。
寿孝さん
去年は本人から「見に来ないでくれ」と言われていました。故障は、すぐに治るわけではない。1軍で投げたときも、まだ完全ではないと思っていたので行きませんでした。
しづ子さん
心配でしたけど、やっぱり悩んでいる姿や打たれている姿を親に見られたくないという気持ちがあったと思います。
息子の気持ちは手に取るように分かる。深入りせず、本人の意思に沿った。実家に帰ってきたときも同じだ。親子の会話で野球の話をしないのが、斎藤家の暗黙のルール。ただ、何げないコミュニケーションの中で昨年との違いを感じていた。
寿孝さん
ケガをしても親の前では弱音とかは絶対に言わないのですが、昨年と違って遠目から見ていても表情が明るかった。やっぱり、全然違いましたね。
この日、斎藤が投球練習後のクールダウンに出てくる前に球場を後にした。直接、言葉をかけなくても思いはきっと伝わる。
寿孝さん
今の調子なら、今年は試合を見に行けそうですね。あとは、本人の頑張り次第ですね。
息子の力を信じて、静かに再起する姿を待っている。【木下大輔】



