高卒ルーキーが、土壇場の一振りで1軍残留を決めた。DeNAのドラフト5位、関根大気外野手(18=東邦)が19日、沖縄・宜野湾で行われた韓国・KIA戦の9回1死満塁から一、二塁間を破るサヨナラ打を放った。

 対外試合でのプロ初安打初打点にも、一塁を回ったところで戸惑っていた。「高校なら整列です。どうしたらいいのか分からなくて」と初々しかった。ベンチではナインに囲まれユニホームを半分脱がされる。中畑監督からは頭をはたかれた。高校の恩師、森田泰弘監督(54)が激励に来た日に活躍する姿を見せることができた。

 技術面で悩んでいた。練習試合3試合で6打数無安打。11日の紅白戦では第1打席で二塁打を放ったが、途中出場となったこの日の第2打席まで11打席連続で無安打だった。「高校時代まで、こんなに続けて打てないことがなかったので」と考え込んでいた。

 助けてくれたのが中畑監督だった。前日18日、右腕のたたみ方をアドバイスされた。「右脇が開いて(のけぞるため)ポップフライが多いから、右脇を締めて一、二塁間に引っ張れと」。翌日すぐに結果を出すところが、並の高卒新人とは違う。

 走攻守そろった外野手の活躍に、中畑監督も方針を変えた。「あのまま(ノーヒット)だったら2軍を考えたね。大きな一打。チャンスをつかんだ。持ってるね」。巨人とのオープン戦(22日)でも起用する方針だ。「そういう舞台でどんな姿を見せてくれるか」。高卒ルーキーのチャレンジは、次のステップに進んだ。【矢後洋一】

 ◆関根大気(せきね・たいき)1995年(平7)6月28日、愛知県生まれ。東邦高から13年ドラフト5位でDeNAに入団。野球を始めたのは小1で、当初は右投げ右打ちで、小3から現在の左投げ左打ちに変わった。50メートル走5・8秒。遠投は115メートルと俊足強肩。好きな言葉は「夢」。好きな食べ物はチンジャオロースー。174センチ、78キロ。