<オープン戦:ソフトバンク7-2中日>◇13日◇ヤフオクドーム

 ギータが自己最長140メートル弾でヤフオクドームを沸かせた。ソフトバンク柳田悠岐外野手(25)が、2回に右翼席最上段へ3号2ラン。4回にも中前適時打を放ち3打点。これでオープン戦12球団トップの13打点、3本塁打。規格外の男が恐怖の7番打者として急成長している。

 完璧な打球は右翼外野席の最上段に突き刺さった。「大満足です。ぶっ飛んだんで!

 打球は見えました。どこまで飛ぶかなって」。柳田は会心の笑顔を浮かべた。2回1死三塁。1ボールから中日山内の126キロ甘く入ったカットボールを捉えた。推定ながら140メートルは1軍のオープン戦、公式戦合わせて25本目で自己最長となった。

 悩んでいた。試合前まで打率は2割を切っていた。前日の試合後、昨年終盤4番を打っていたころの映像を見た。ここまで構えの時にバットを動かしていたがこの日からピタッと止めて構えに入った。「静から動にすることで、トップの位置がすんなり入れた」。さっそく効果を実感した。

 1月に自主トレを行ったオリックス糸井から「日本人で一番飛ばす」とお墨付きをもらった男は、まだまだ満足していない。1年目の11年4月24日、ウエスタン・リーグ阪神戦(京丹後)で2回に鶴から放ったプロ初本塁打が「バックスクリーンをライナーで越えていった。やばい本塁打だった」と、本人の中で一番完璧な本塁打という。

 オープン戦12試合、チームでただ1人、フル出場を続ける。不動の中堅手として固定したいというチームの期待の表れだ。4回には左腕パヤノからコンパクトに中前適時打。7番という“自由な”打順で12球団トップの13打点、3本塁打と暴れている。開幕まであと2週間。「コンディションはまだまだ上がる。もっと飛ばせるようにウエートをしたい」と、この日もナイター後にトレーニングを続けた。チームは引き分けを挟んでオープン戦7連勝。柳田が大化けすればさらに強力な打線となる。【石橋隆雄】