開幕ローテーション入りしていた日本ハム斎藤佑樹投手(25)が、2軍での出直しを命じられた。10日楽天戦での大乱調から一夜明けた11日、出場選手登録を抹消された。1回1/3を4四球3失点と乱れ、故障以外では自己最短タイの降板。この日は中継ぎ待機も検討されたが、首脳陣は降格を決断。即日帰京の厳しい措置が取られた。

 屈辱のKO劇から一夜明け、再出発が決まった。斎藤が2軍から出直す。この日の西武戦の試合前練習中、栗山監督から呼び出され通達された。グラウンドでネットスローなどを終えると、うつむきながら無表情で足早にロッカーへ消えた。前夜に「悔しいです」と話した佑ちゃんは無言を貫き、チームを離れ、帰京した。

 心身ともに再調整を図る。栗山監督からは頭の中を整理するよう忠告された。ブルペンではキレのある球を投げているが、試合で発揮できない。指揮官は「その辺りで悩んでいる部分もあると思う」と胸中を察する。51球で降板したことから、この日から中継ぎ待機も検討されたが見送られた。厚沢投手コーチは「チームにとっても、斎藤にとっても先発でやってもらった方がいい」と説明。先発として自信を取り戻させる方が得策と判断された。

 当初から、登板翌日のこの日に登録抹消をされる予定だった。変則の「9人制」の先発ローテーションがチーム戦略。2軍ではインフルエンザから木佐貫が練習に復帰した。中村もイースタン・リーグで4試合に先発。2勝2敗、防御率2・25と安定した結果を残している。斎藤以外にも余剰人員がおり、今季1軍未登板の木佐貫と中村の登板機会を優先させるため抹消するプランではあった。

 ただ乱調で、その意味合いが少し変わった。栗山監督は「次の登板が決まっている抹消と意味が違う」と、斎藤の置かれた立場の変化を説明した。本来なら次回1軍登板予定のメドを伝え、2軍調整するつもりだったが、この日は未定としたままだった。2軍での実戦登板でアピールをすることが、再チャンスを得るための条件として加わったもよう。故障からカムバックを目指す1年に、最初の試練が訪れた。【木下大輔】