<西武1-2オリックス>◇20日◇西武ドーム

 オリックスのドラフト1位、吉田一将投手(24)が、プロ初勝利を挙げた。6回途中まで6安打1失点。好調なチームに力強い戦力が加わり、首位ソフトバンクにゲーム差なしと肉薄した。

 吉田一はヒーローインタビューで「ウイニングボールは両親に渡してお礼が言いたい。最初の親孝行ができました」と笑顔を見せた。最速は142キロながら、キレのある直球で打者の内角を突いた。「紙一重で、甘くなると本塁打になるが、間違えなければ打ち取れる」。大胆に、攻めの投球に徹した。

 3回には炭谷の打球が左手首を直撃。打撲したが、マウンドを譲るわけにはいかなかった。テーピングをして気合の続投。初登板だった6日西武戦で、勝利投手の権利目前の4回2/3で降板した悔しさも晴らした。

 6回の降板はピンチをつくってのもの。森脇監督は初勝利をたたえつつ「6回はベンチを見る回数が多くなった。前回の悔しさがあるなら、見てはいけない。弱気は最大の敵」と注文をつけたが、それも、大きな期待の裏返しだ。

 右肩の張りのため出遅れ、開幕1軍を逃した。だが、焦りはなかったという。「だって、スタートから遅れてますから。1年あるので毎試合集中してやりたい」。大型右腕の巻き返しはこれからだ。【高垣誠】

 ◆吉田一将(よしだ・かずまさ)1989年(平元)9月24日、奈良・橿原市生まれ。青森山田では2、3年夏に甲子園に出場したが、登板機会なし。日大を経て12年にJR東日本に入社し、都市対抗では2年連続準優勝に貢献。昨年ドラフト1位でオリックスに入団した。191センチ、92キロ。右投げ左打ち。