<巨人4-2ヤクルト>◇1日◇東京ドーム
たかが9試合、ではすまない。ヤクルトのウラディミール・バレンティン外野手(29)は9試合連続で本塁打が出ず、60本塁打を放った昨季のワーストに並んだ。投手陣が不安定なチームが勝つためには、主砲の1発に頼るところが大きい。小川監督も「彼が打たないとチームのムードも変わらない。本塁打の効果は非常に大きい」と認めているよう、長い不発はチームの死活問題となる。
快音が消えた理由について、小川監督はバレンティンの心中にある「疑心」を挙げた。「本当に勝負を避けて歩かされる時もあるけど、それ以外でも初球がボールだと『避けられるかな』と思って、次の甘い球を簡単に見逃して追い込まれる感じがする」。
当然ながら相手バッテリーは、得点源であるバレンティンを最も警戒する。得点圏に走者を置いた場面なら、まともに勝負はしない。それは事実だが、バレンティンは必要以上に「初球はボール球がくる」という先入観を抱いてしまっている。そのため甘い球を見逃し、ボール球を追いかけるという悪循環を生み出す。
この日も、甘い球を見逃した。0-2の6回無死一、三塁。1発が出れば逆転の場面で、巨人杉内の真ん中付近に入って来た甘いスライダーにバットが動かなかった。初球がストライクゾーンに来るとは、頭になかった。最後は外角直球に手が出ず、見逃し三振に終わった。
本人は「状態は悪くない。昨年は60本打ったけど、毎日本塁打を打てたわけじゃないよ」と言うが、昨季は2・4試合に1本ペースで快音を響かせていたことになるから9試合は長い。真中打撃コーチは「ちょっと長い。心配だよ」と不安を募らせた。
解決策はあるのか。バレンティンは「リラックスして臨むよ」と、笑顔で口にした。単純なようだが、考えすぎずに好球必打で疑心を振り払えるか。バレンティンの気分一新がチームの命運を握る。【浜本卓也】



