<阪神1-6広島>◇1日◇甲子園

 マウンドで決して表情を崩さないポーカーフェースが、この日ばかりは崩れた。阪神岩崎優投手(22)が思わず口を開いた。すぐにグラブで覆い動揺を隠したが、ショックの大きさを物語っていた。0-0で迎えた3回。先頭のロサリオに内角高めの直球を、バックスクリーンに打ち込まれたときだった。

 立ち直れなかった。制球にも精彩を欠き、4回には2失点。5回は1死から菊池、丸に連打を浴び、1死一、二塁。交代を告げられた。5回を持たずに降板は初めて。自己最多タイの6安打を打たれ、ワーストの3四球を与えた。攻撃では3回無死一、二塁で、送りバントをできなかった。岩崎にとって、ワーストゲームだった。

 岩崎

 やるべきことをしっかりやらないといけなかった。

 リベンジはならなかった。岩崎がプロ初黒星を喫したのは、4月16日の広島戦。投げ合ったのはこの日と同じ大瀬良だった。しかも、大瀬良に2点適時打を許した。忘れもしない一打だった。闘志を燃やしてのマウンドだったが、空回りしたのか、自己最短4回1/3KOと返り討ちにあっての2敗目だった。

 自らのリベンジ、チーム甲子園11連勝、さらに奪首…。ルーキー左腕に多くのものがかかっていたが、いずれにも失敗。この日は父久志さんの52歳の誕生日。勝利を父にプレゼントしたかった。岩崎はこの日、唇をかみしめ、多くを語らなかった。この屈辱は、次回、きっとやり返す。【宮崎えり子】

 ◆前回の阪神岩崎VS広島大瀬良

 4月16日の広島対阪神2回戦(マツダスタジアム)でともに先発。岩崎は2回に1点を失うと、5回2死一、三塁から大瀬良に2点二塁打を許し、6回5安打3失点。対する大瀬良は阪神打線を7回を失策による1失点にまとめプロ初勝利。阪神の連勝を6で止めた大瀬良に軍配が上がった。阪神にとってはドラフト1位指名した新人投手との先発対決で敗れたのは、87年中日近藤に負けて以来、27年ぶりのことだった。