<オリックス8-2ロッテ>◇6日◇京セラドーム大阪

 ズッコケ60メートル弾あり、仰天150メートル弾あり-。オリックスがハチャメチャ勝利で首位を追走した。初回に竹原直隆外野手(34)が転倒し、初球先頭打者ランニング本塁打を許す波乱の幕開け。だが、不振に苦しんでいたウィリー・モー・ペーニャ外野手(32)が5回に天井直撃弾を放つなど2発の活躍。衝撃プレーの連続で5月初連勝だ。

 プレーボールと同時に、観客はド肝を抜かれた。初回、初球。ロッテ荻野貴の打球は左前で弾む。次の瞬間、竹原が人工芝に足を引っかけ、豪快に転倒。ボールは転々とフェンスへ。「(体勢を)立て直せなかった。見たまんま。僕のミスです」。ファンは笑っても、本人はうれしくない痛恨のズッコケ。単なる単打を初球先頭打者ランニング本塁打にしてしまった。

 その裏、糸井の適時二塁打で同点に追いつくと、1死二塁で竹原に打席が回る。3年ぶりの4番抜てき。しかし、力みまくって捕邪飛。ベンチでうつむくと、森脇監督は肩をたたき励ました。「あの辺はよく覚えていない。イライラしていたので」。それでも、転んだまま終わらないのが、今年のオリックスだ。竹原凡退直後、ペーニャがセンター右に勝ち越しの11号2ランを放った。28打席連続ノーヒットに、背中の痛み。どん底の主砲が復活の雄たけびを上げた。「最近、苦しんでいた。新しいスタートと思ってやっていく」。

 人間ドラマに満ちた初回の攻防。形勢を逆転したことで、次の展開が開けた。3回には竹原が左翼に1号ソロ。「ホッとしましたよ、マジで。負けていたら、話にならない」。意地の一振りで最悪のミスを帳消しにした。さらに、ペーニャの驚弾が飛び出したのは5回だ。天井に設置された外側のスーパーリングに、弾丸ライナーで直撃。地上約50メートルの高さにぶつかり、グラウンドに落下。球場関係者は「推定150メートル」という驚きの認定本塁打でこの日2発目となった。「今日が一番」という野球人生で会心の当たりだった。

 機動力を駆使したかと思えば、吉本新喜劇にも負けない「おもろい野球」もある。2連勝で首位ソフトバンクをゲーム差なしで追走。ズッコケから始まったドラマは喜劇の結末だった。【田口真一郎】