ソフトバンク摂津正投手(31)が、高くなったフェンスを味方につける。先発する今日9日西武戦の舞台、北九州が今季から、外野フェンスが2メートル高くなった。

 両翼92メートル、中堅119メートルと狭く、本塁打が出やすい球場として知られる。従来3・2メートルだった外野フェンスが5・2メートルに伸長。本拠地ヤフオクドームよりは60センチ低いが、これまで不利だった投手には追い風となることは間違いない。摂津も「高くなるんですか。それはよかったですね」と笑顔で歓迎した。

 チームは過去10年で18戦を戦い、本塁打0の試合は2試合だけだった。両チーム合わせて5本塁打が飛び出した試合は4試合もある。この日、公式戦開催へ向け整備をしていた球場関係者は「ネットが高くなったので、本塁打は減るのでは」と北九州版「グリーンモンスター」を見上げながら話した。

 摂津は11年に先発転向後、地方球場では7戦5勝1敗と強い。被本塁打も今季は6試合、41回1/3を投げ前回2日の楽天ジョーンズの1本だけと安定。4連勝、貯金10と好調なチームの流れと高くなったフェンスに守られ、エースがノーヒッター岸との投げ合いを制す。【石橋隆雄】

 ◆北九州市民球場

 57年9月に小倉球場として誕生。89年ダイエーの福岡に移転に伴い、改修し現球場名となる。準本拠地として年間数試合を開催。フェンスまでの距離が短いだけでなく、ファウルグラウンドも狭く打者有利。99年4月7日のダイエー-ロッテでは、本塁打0でロッテが21安打で22-2と大勝。08年の横浜-ソフトバンクでは投手大隣が本塁打を放った。収容人数は1万8760人。