<ロッテ4-1楽天>◇10日◇QVCマリン
敗戦の中で、唯一の光だった。楽天西田哲朗内野手(22)が5年目でプロ初本塁打を放った。1点を追う3回1死、ロッテ藤岡の初球直球を左中間席へ運ぶソロが、チーム唯一の得点。空砲にはなったが、将来を期待される若手に1発が飛び出した。
けれん味のないスイングだった。0-1の3回1死走者なし。西田の狙いは、はっきりしていた。「(ロッテ先発の)藤岡さんはストレートが良い。直球の割合も多い」と、初球から直球に絞った。その初球。143キロが真ん中に入った。待ってましたとばかり振り抜くと、左中間スタンドまで飛ばした。プロ5年目。通算132打席目で初アーチが飛び出した。背中痛で欠場した岡島に代わり、1番でスタメン出場。試合に敗れ「勝ちたかった」と笑顔はなかったが、十分アピールした。
将来を期待される、若手野手の筆頭株だ。昨季は初の開幕1軍を果たしたが、腰痛もあり一時離脱。自己最多26試合に出場も、満足できるシーズンではなかった。それでも、首脳陣の評価は高い。試合前にも、星野監督の口から「西田」の名前が出た。「うちで一番、素材のある選手だ」。ただ、こうも言った。「中途半端はいけない」。西田のパンチ力は魅力。ただ、1軍では、そう簡単に長打は出ない。ならば、アベレージヒッターを目指すのか。方向性を決めた方が良いという意味だった。
西田本人は高い理想を掲げる。目標の打者は、同じ右打ちのソフトバンク内川。「右で、あれだけの打率を残されている。左打ちほど内野安打がないのに。しっかり振って、捉えて安打にしている。理想です」と言う。本塁打についても「やっぱり、長打は捨てたくない」と素直に明かした。
1発も打ち、打率も残す。理想へ向け、スタートとなる1本だ。「いろいろ悩んだ時にアドバイスをくれた田代コーチや平石コーチ、ここまで支えてくれた皆さんに感謝したい。この1本で終わったわけではないので、ここから乗っていきたい」。2人の打撃コーチの名前を挙げ、固く誓った。【古川真弥】



