<ロッテ2-12楽天>◇11日◇QVCマリン

 母の日に、新たな孝行息子誕生の予感だ。楽天西田哲朗内野手(22)がロッテ戦で2試合連続となる2号ソロを放った。前日に初球直球を捉え、プロ5年目で初アーチを放ったばかり。この日は7-2の5回2死、追い込まれてからファウルで粘り、最後に仕留めた。7回には犠飛も放ち、計3安打2打点1盗塁。若手を辛抱して使う星野監督の期待に応えた。

 ファンの好意で戻ってきたホームランボールをもらい、西田はニコニコ顔で切り出した。「今日はお母さんのために打ちました。母の日なので、お母さんに届ける1発です」。願いが通じた。7-2の5回2死。ロッテ南に3球で追い込まれたが、ファウルでしのぎフルカウントに持ち込んだ。9球目。抜けた直球を振り抜いた。「入れ!」と念じ、走りだす。五月晴れの空に高く上がった打球は、左翼ポール右側を通過。2号ソロとなった。

 藤岡の初球直球を捉えた前日のプロ1号とは対照的だった。粘り腰の1打に「四球も選べる中、しっかり見極められました」と納得できた。2試合連続アーチを含む3安打2打点。2回には、相手先発石川のモーションを完璧に盗む二盗も決めた。プロ5年目で、素材が花開こうとしている。

 試合前、星野監督はぼやいた。「俺らに我慢して使おうと思わせるヤツが少ない。かつての銀次、慎太郎のような」。就任2年目の12年。守備力に目をつむりながら、実績の少ない銀次、枡田(慎太郎)を使い続け主力に引き揚げた。それが、翌年の初優勝につながった。連覇を狙う今季、借金生活が続く中で若手の突き上げ不足が不満だった。それでも、期待の筆頭格が西田だ。4回には失策を犯したが、星野監督は「どんどん使うよ。エラーは、銀次、慎太郎で慣れとる」と笑い飛ばした。

 西田は「一日一善と思ったけど、結果的に3安打。1打席1打席、無駄にしないようにしています」と謙虚だった。前日に1号ソロを放ち、母敦子さん(52)から「母の日に1日早いプレゼント、ありがとう」とメールが届いたという。プロ2号のボールをしまうと「お母さんにあげます。後で電話します」と照れた。チームの“父”星野監督の起用に応え、実母には最高の贈り物。これからも孝行息子でいく。【古川真弥】

 ◆西田哲朗(にしだ・てつろう)1991年(平3)9月4日生まれ。大阪・茨木市出身。甲子園出場はないが、関大第一で3拍子そろう野手として注目を集める。09年ドラフト2位で入団。昨季は初の開幕1軍も、腰痛で途中離脱した。昨季までの通算成績は47試合11安打3打点1盗塁、打率1割5分5厘。180センチ、78キロ。右投げ右打ち。推定年俸700万円。